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SharePointでワークフローをつくる。無料でできる限界とは?

SharePointでワークフローをつくる。無料でできる限界とは?

SharePoint Onlineでは、経費精算や稟議申請などのワークフローシステムを無料でつくることができます。
SharePoint とPower Automateを活用してワークフローシステムをつくる方法について説明するとともに、無料でできることの限界について説明します。

SharePointでワークフローをつくりたいあなた。こんな悩みはありませんか?

「SharePoint Onlineで経費精算や稟議申請などのワークフローをつくりたいけど、どうやればいいの?」
「Power Automateでワークフローをつくりたいけど、うまくいかない」
「無料でつくれるワークフローって、どんなことができるの?できないことは何?」

このような悩みを持っている方のために、経費精算や稟議申請などのワークフローシステムを無料でつくる方法について説明します。また無料でできることの限界について説明します。

SharePoint Onlineで経費精算や稟議申請などのワークフローをつくりたいけど、どうやればいいの?

ワークフローとは、何なのでしょうか。

ワークフローは、「業務に関する一連のやりとり」のことを言います。ほとんどの業務は、「何かをきっかけに、誰かが依頼し、判断や処理を繰り返し、完了する」という流れです。

職場で欠品した文房具を購入したい時や、パソコンを買い換えたいとき、必要な申請書を作成し、上司の承認をもらうことがあると思います。新しいビジネスを始めたいときは、提案書や多くの申請書類を作成し、多くの役員の方へ説明をして、承認を得るようなこともあると思います。
このような業務の流れこそがワークフローです。ワークフローは、企業で働くうえで、必ず必要なものです。しかし、実際の作業は、書類の作成からはじまり、承認の回覧、不備があったときの修正や手戻りなど、負担が大きいものです。このワークフローを効率化することが、働き方改革、業務効率化の重要なポイントです。SharePoint Onlineでは、このワークフローを電子化・自動化することが容易にでき、業務の効率化を実現できます。

SharePointワークフローのサポート終了

SharePoint 2010のワークフローは、2020年に、Microsoftのサポートが終了しています。
SharePoint 2013やSharePoint Designerについても、2026年にはサポートが終了する予定となっています。
サポートが終了することで、今まで使っていたワークフローが使えなくなる可能性があります。
ワークフローが使えなくなると、業務が回らなくなり、企業への影響が大きいです。

SharePoint2010、2013を使われている方は、早めにSharePoint Online(Microsoft 365)への移行を
検討されることをお勧めします。
また、新しいワークフローをつくるのは、現状のワークフローの課題を解決し、より効率的な業務ができるようにする
いいチャンスにもなります。そのための準備や検討は、早めに始めたほうがいいでしょう。

※参考元:Microsoftサイト「SharePoint 2010 のワークフローのサポート終了」launch

Power Automateで、より便利なワークフローをつくる

Microsoft 365なら、SharePoint OnlineとPower Automateを組み合わせることで、より簡単に、より便利なワークフローをつくることができます。
SharePoint Onlineは、SharePoint2010、2013のワークフローと同じ機能が使えるので、今までSharePointのワークフローを使っていた方なら、容易に使えると思います。また、Power Automate(Microsoft Flow)は、SharePoint Online以外のMicrosoft 365製品(Teams、Outlookなど)や、Microsoft以外の製品(Google、DropBox、Twitterなど)との連携も容易で、より便利なワークフローをつくることができます。

たとえば、下記のようなことを自動で行うことができます。

災害発生時の安否確認
特定の件名のメールを受信したとき、メールの内容をSharePointのリストにアイテムとして登録する
SharePointにドキュメントが登録されたら、メールで通知する

今までのSharePointではできなかったことが、SharePointとPower Automateを組み合わせることで、実現できる可能性があります。Microsoft 365のSharePoint Onlineや、Power Automateを使って、手間やコストを抑えて、業務を効率化しましょう。

SharePoint OnlineとPower Automateでワークフローを構築しよう

SharePoint OnlineとPower Automateで構築するワークフローの全体像

会社でよくある経費申請のワークフローを、SharePoint OnlineとPower Automateを組み合わせて、作ってみようと思います。
つくるワークフローの全体イメージは、下図になります。

①:申請する人が、SharePointのリストに申請内容を登録します。
②、③:1次承認として、課長が承認します。
④、⑤:2次承認として、部長が承認します。
⑥:承認された結果が、申請した人に通知されます。

リストの設定

まず、申請者が経費申請を出すためのリストを作成します。
サイトの「新規」から「リスト」を選択します。ウインドウが表示されるので「空白のリスト」を選択します。

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リストの名前に「経費申請」と入力して、「作成」をクリックします。
下記の画像のようなリストの画面が表示されればリストの作成が完了です。

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作成したばかりのリストは列が「タイトル」しかないので、列を追加します。
ページの右上にある歯車のアイコンを選択し、「リストの設定」を選択します。

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リストの設定画面が開くので、リストに列を追加するために「列の作成」を選択します。
「使用目的」、「使用日」、「金額」、「ステータス」の4つの列を追加していきます。

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①使用目的
列の種類は長いテキストも入力できるように「複数行テキスト」を選択します。入力必須は「はい」、テキストの種類は「書式なしテキスト」を選択します。画面下部の「OK」ボタンを押します。

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②使用日
列の種類は「日付と時刻」を選択します。入力必須は「はい」を選択します。

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③金額
列の種類は「通貨」を選択します。入力必須は「はい」を選択します。

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④ステータス
列の種類は「選択肢」を選択します。選択肢の内容は「申請中」、「承認」、「拒否」を入力します。規定値に「申請中」を選択して、申請を登録したらすぐに「申請中」になるようにします。

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これで、 「使用目的」、「使用日」、「金額」、「ステータス」の4つの列が追加できました。

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リストの設定からビューの「すべてのアイテム」を選択します。
この画面では列の表示・非表示を切り替えたり、列の順番を変更したりすることができます。

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今回のリストでは「タイトル」の列は使用しないのでチェックを外しておきます。並び順についてはこの画面で変更するか、リストの表示画面で列名をドラッグ&ドロップすることで変更できます。

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アクセス制限を設定します。入力した申請が他のユーザーから見られたり、編集されてしまうと困るので、そうならないように設定します。

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リストの設定画面から「詳細設定」を選択します。「読み取りのアクセス権」は他のユーザーから自分の申請を見られないように「ユーザー本人が作成したアイテム」を選択します。「作成/編集のアクセス権」は他のユーザーの申請を編集できないように「ユーザー本人のアイテム」を選択します。
(サイト管理者はすべての申請を確認することができます。)

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次に、リスト自体についてアクセス権限を設定します。ユーザーはリストへの投稿権限がないと、申請をすることができません。SharePointでは、何も設定しないとサイトに設定された権限がそのままリストにも継承されるため、閲覧者として設定されているユーザーはリストへの投稿権限がありません。

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リストの設定画面から「このリストに対する権限」を選択します。一覧から「閲覧者」にチェックをつけてメニューから「ユーザー権限の削除」を選択します。これでサイトの権限と切り離され、任意の権限を設定できます。

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次に、「ユーザー権限の編集」を選択します。
「投稿」にチェックをつけることでリストにアイテムを追加ができるようになるので申請を出すことができます。
(リストの権限を独自に設定したことになるので、サイトの権限の設定をしてもこのリストは影響を受けなくなります。)
以上で、アクセス権限の設定が完了です。

以上で、アクセス権限の設定が完了です。

Power Automateの設定

「Power Automate」を開きます。トップ画面から「作成」を選択します。

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フローを作成する方法が表示されるので「自動化したクラウドフロー」を選択します。作成するフローは、リストに申請が追加されたことをトリガーとして自動で起動するようにしたいので、自動フローを使います。

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フロー名を入力します。フローのトリガーとしては、「項目が作成されたとき」を選択して「作成」をクリックします。

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フローの作成画面に移動し、トリガーとして「項目が作成されたとき」が表示されます。「サイトのアドレス」と「リスト名」を選択肢から選択します。

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「新しいステップ」を選択し、次のアクションとして「開始して承認を待機」を選択します。

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アクションの詳細を設定します。「タイトル」が承認者への承認依頼メールの件名になります。「担当者」には一人目の承認者を設定します。「詳細」では承認依頼メールに記載するテキストを設定できます。
ここまでの設定で、自動で承認者にメールが送信されるようになります。

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次のアクションは承認か、拒否によって分岐させたいので「条件」を選択します。

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条件は「応答 承認者の応答」が「Approve」に等しいかどうかを判定するようにします。

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承認依頼の結果を申請者にメールで送信するため、両方の分岐の次のアクションとして「メールの送信(V2)」を設定します。「宛先」は登録者を設定し、件名や本文を自由に入力できます。

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いいえの場合、メールの送信の次の処理は経費申請リストのステータス列を更新することです。
アクションとして「項目の更新」を選択し、「ステータス」の列を拒否とします。これで承認されなかった場合に自動的に更新されます。

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はいの場合、一人目の承認者から承認されたので二人目の承認者に承認依頼をします。
一人目と同様に「開始して承認を待機」のアクションを選択します。「担当者」には二人目の承認者を設定します。

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一人目の承認と同様に、承認されたかどうかを「条件」のアクションで判定し、申請者への結果をメールで送信します。

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最後に、項目の更新で経費申請リストのステータス列を更新します。「項目の更新」のアクションを両方に追加し、はいの場合は「承認」、いいえの場合は「拒否」に更新されるように設定します。

これで、フローの作成が完了です。

いかがでしたか?
手順は多いですが、プログラミング等の専門知識がなくても、ワークフローを構築できることがわかったと思います。

無料で構築できるワークフローの限界

SharePoint とPower Automateを使うことで、ワークフローを構築できますが、なんでもできるというわけではありません。ここでは無料で構築できるワークフローの限界について説明します。

アクセス制限をしてもサイト管理者は申請を確認できてしまう

アイテムごとの権限を設定してもサイト管理者やサイト所有者からは確認できてしまうため、申請者や承認者だけに知らせる、ということはできません。

Power Automateの回数制限

APIコールの回数はユーザーごとに1日2000回
2000回の上限を超えてもすぐに使用できなくなるわけではないが、MicrosoftからOffice 365管理者へ追加購入するよう警告があります。
APIコールの確認方法
Power Platform 管理センターから確認可能です。

※参考元:Microsoftサイト「Power Platform 管理センター」launch

Power AutomateのAPIコールの数え方

承認ワークフローを取得するためのアクションで1回カウント。

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承認ワークフローのデータを基に申請情報データを取得するためのアクションで1回カウント。
承認ワークフローの件数が20件の場合は20回カウント。

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変数の設定を行うアクションで1回。申請情報の件数が30件の場合は30回カウント。承認ワークフローデータ実施分の処理で20件処理され、申請情報データ分で30件表示されるのでこのアクションで合計600回APIコール数が加算されます。

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承認依頼先にリマインドのメールを送信するためのアクションで1回カウント。
承認依頼先が2件ある場合は2回カウント。承認ワークフローデータ実施分が20件処理され、申請データ分で30件表示されます。承認依頼先のデータが2件あるのでこのアクションで合計1200回APIコール数が加算されます。

機能の制限(差し戻し、代理承認)

差し戻し
SharePointの標準機能では、差し戻しができません。対応する場合は、差し戻しとなった申請を、新たにリストのアイテムとして登録して申請し直す、という運用で対処する必要があります。

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【新規申請フロー】

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【再申請フロー】

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代理承認
Power Automateの標準機能では実現できません。

まとめ

この記事ではMicrosoft 365(Office 365)のサービスとして提供されるSharePoint OnlineとPower Automateを活用してワークフローシステムをつくる方法について解説しました。
プログラミング等の専門的な知識がなくても、設定を行うことで、無料でワークフローシステムを作れることがわかっていただけたと思います。ただアクセス制限や回数の制限、機能の制限等、無料の範囲内だとできないこともあります。そのような場合は専門家にアドバイスをうけるのも一つの方法だと思います。
弊社では、SharePoint OnlineとPower Automateの技術サポートをはじめ、ワークフローパッケージ(ez ワークフロー)をご提供しております。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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