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ISOと文書管理の関係性と重要性を分かりやすく解説

ISOと文書管理の関係性と重要性を分かりやすく解説

企業において最も重要なルールの1つが文書管理規定です。
文書は、企業の血液のようなものであり、企業内外の業務は文書を媒介として回っていきます。しかし、その文書を個々人でバラバラに管理していると、紛失したり、どこに行ったかわからなくなったりします。そこで有用なのが文書管理規定です。文書管理規定とは、企業が文書を扱うときのルールで、外部・内部の文書の管理方法を統一し、必要なときにすぐアクセスできるようにする規定です。
この記事では、文書管理の重要性と国際基準であるISO9001についてわかりやすく解説します。

文書管理規定とは

文書管理規定とは、企業内で文書を適切に管理する方法を定めたルールです。
企業が扱う文書には、「社外とのやり取りで発生する文書」と「社内でのやり取りで発生する文書」の2種類があります。
この2つは、性質が異なりますが、これを統一的なルールで管理し、目的の書類への素早いアクセスを可能にして混乱を回避するのが目的です。文書管理規定に関する国際的な基準にはISO9001があります。

ISOとは?

ISOとは、International Organization for Standardizationの略称で、日本語では国際標準化機構と言います。
これは、さまざまな規格を世界的に標準化して統一する組織で、たくさんの標準規格を管理しています。世界的に標準化といっても世界標準の規格はそのまま国内標準にもなるので、私たちの身の回りにもたくさんのISO規格が使われています。例えば、公共施設における公衆トイレのマーク、禁煙のマーク、非常口のマークなどの案内標識はISO7001/ISO7010の規格に基づいています。さらに、A4やA3などの紙のサイズ、クレジットカードやキャッシュカードのサイズもそれぞれISO216、ISO7810の規格に基づいています。このように私たちの身の回りにはISO規格があふれているのです。

ISO9001とは?

ISO9001とは、ISO規格の1つで、品質マネジメントに関する規格です。
会社では、老若男女さまざまな人が働いていて、個々の能力が異なるので、品質を一定にするのは、難しいです。ところが、個々人で能力は異なるので、作るのが上手い人と下手な人が出てきます。そのため品質が一定になりません。そのような品質の属人性への対処法は、工程をマニュアル化することです。つまり、製造方法や業務のプロセスを規格化して、誰でも規格に沿えば一定の品質の仕事ができるようにするのです。これを実施するのが品質マネジメントであり、ISO9001の狙いです。

ISOと文書管理の関係

ISO9001は、品質の管理に関する規格ですが、その規格は文書管理と密接に関わっています。
ISO9001でいう品質とは、商品のような目に見える物の品質だけではありません。サービス、マネジメント、経営、業務管理などの品質が問われます。
そのような企業の活動は、文書を主体として行われますね。例えばものづくりであれば設計書、接客サービスであれば接客マニュアル、さらに、取引先のデータベースやメンテナンス指示書など、企業活動は文書を媒介して回っています。すなわち企業活動の品質をマネジメントするにはいかに適切に文書のマネジメントを行うかが重要なのです。

ISO9001で規定された文書の種類

ISO9001が規定する文書は、以下の2種類です。

この規格が要求する文書化した情報
品質マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した、文書化した情報

「文書化した情報」は、非常にわかりにくい概念です。単に「文書」というと紙とかWordのファイルとか、書かれた媒体をイメージする人が多いのではないでしょうか。「文書化した情報」とは、「記録媒体に記録した情報」という意味です。
つまり、紙とかハードディスクとか、そういう媒体だけ管理しても書かれている情報が適切に管理されてなかったら駄目という意味です。
さらに、文書化した情報には2種類あります。それは、「文書」と「記録」です。文書とはいわゆるマニュアルです。これは、設計書や指示書などの業務のやり方が書かれた文書全般を指します。一方で、記録とは、議事録や日報など業務プロセスを実施した記録です。ISO9001では、文書化した情報を「文書」と「記録」に分けてえています。

ISO9001で規定された文書管理の要件

ISO9001において文書管理は、非常に重要な役割を負っています。ISOは、文書管理の要件として「必要な文書の種類と作成方法を定めること」「文書の管理方法を定めて遵守すること」を求めています。
必要な文書の種類と作成方法は、企業によって異なるため、企業が自主的に策定します。策定する項目は、文書を識別する方法や文書の媒体などです。作成された文書は、レビューを経て承認される必要があります。
文書の管理方法についても、それぞれの企業が自主的に策定しますが、ISO9001は以下の要件を課しています。

文書化した情報が、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態である
文書化した情報が十分に保護されている(例えば、機密性の喪失、不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)
配布、アクセス、検索及び利用が必要に応じてできる
読みやすさを保ったまま保管および保存が成されている
文書の変更やバージョンが管理されている
文書の保管期限と廃棄方法が定まっている

ISO9001で規定された文書の保管期限

ISO9001では、文書の保管期限は企業が自主的に決定することとされていますが、その際にもいくつか守る項目があります。

1.法律で定められている保管期限を守ること
2.製品やサービスのトレーサビリティが確保できる期間にすること
3.従業員の個人情報は、退社するまで保管すること

2と3はあくまでも企業の裁量が大きいですが、1は、法律で厳格に決まっているので注意が必要です。
1の法律で定められている書類には以下のような例があります。

会計の帳簿や領収書など(7年)
従業員の身元保証書・誓約書(5年)
雇用保険に関する書類(4年)
労働者名簿(3年)
社会保険に関する書類(2年)

ISO9001認証を取得するメリット

ISO9001を取得すると、さまざまなメリットがあります。それは、商品ブランド価値の向上や、社会的信用の向上、生産性の向上、ナレッジの蓄積、部門間のコミュニケーション促進です。このセクションではISO9001を取得するメリットについて解説します。

商品ブランド価値の向上

ISO9001の取得により、企業オフィシャルサイトやパンフレット、営業スタッフの名刺などに記載できます。
それを見た顧客や消費者は商品やサービスが商品やサービスに対して、しっかりと品質が担保されていると思い、安心した取引に繋がります。また、近年は商品の品質と同じくらい企業のコンプライアンス姿勢がブランド価値に影響を及ぼします。消費者はコンプライアンス意識の高い企業から商品を購入したいと考えており、ISO9001の取得はコンプライアンス意識の高い企業であるアピールになります。

社会的信用を得られる

最近は、どんな企業でも、ホームページやSNSで商品やサービスを宣伝できる時代となっていて、信頼できるのかどうか見極めるのが難しくなってきています。もはやホームページなどに投資するだけでは社会的信用が得られなくなっています。そこでISO9001を取得してホームページなどでアピールすると、国際的な基準を満たしている証明になり、安全安心な企業であると顧客に証明できます。

生産性の向上

ISO9001を取得する過程において、文書管理のシステムが社内に整備されます。コクヨの調査によると、書類を探す行為に要している時間は年間で社員1人あたり150時間にのぼるという結果が出ています。社員の時給を2,500円と仮定すると1人あたり年間37.5万円の人件費が書類探しに使われている計算になります。社員100人の会社なら年間に3,750万円の人件費が書類を探すという無駄な作業に使われているのです。ISO9001基準の文書管理システムを整備すればこの無駄な費用の削減が期待できます。

※引用元:コクヨ調べ launch

ナレッジの蓄積

ISO9001の取得で文書管理システムが整備されると、文書が体系化され蓄積していくようになります。
社員が個人で持っているノウハウや知識や経験は共有するのが難しいですし、それは社員個人の財産でもあるのでなかなか他人と共有するインセンティブが働きません。そこでISO9001を取得し、ノウハウや知識の文書化をルール化すればナレッジの全社的な共有を促進できます。

部門間のコミュニケーションの促進

先述したナレッジの蓄積は部門ごとに行われるものではありません。
ISO9001を取得すると、全社的に統一された文書管理がなされますので、異なる部門間での人材交流や協力体制の構築がしやすくなります。
大きな企業で働いていると、自分の部門のことしかわからず、他の部署が何をしているのかわからない場合があります。文書管理システムを導入すればその弊害を解消し、部門間のコミュニケーションを促進できます。

活用方法

電子化

電子化は、ISO9001の文書管理において必須ではありません。紙の書類との併用でも、検索性や保存性が担保できれば良いです。
ただ、電子化できる文書は、できるだけ電子化するのをおすすめします。なぜなら電子化されたデータは紙の書類とは検索性や完全性、バージョン管理、保管の手間が圧倒的に違うからです。また、紙の書類ならば改ざんや紛失の恐れがありますが、電子化されたデータは、全て記録が残り、アクセス権の設定も容易です。
文書を電子化するには、文書管理システムを導入する必要があります。その際には膨大な既存文書をスキャンしなければなりませんが、これを社員が行うのはおそらく不可能でしょう。そこで、スキャニングサービスの利用がおすすめです。スキャニングサービスとは業者のスタッフが既存書類のスキャンを代行してくれるサービスです。専門業者だと圧倒的に短時間で終わるので、上手く活用しましょう。

検索

ISO9001の文書管理では、検索性を非常に重視しています。
タイトルや作成者、作成日時などで一意に文書を探せることが要件として課されています。この要件を満たすには、電子化された文書管理システムの導入が効果的です。ISOの文書では、回覧、情報共有、申請、承認といったワークフローを求められます。電子化された文書管理システムにはアクションを起こすとメールが自動通知されるような仕組みが搭載されているものもあるので、スムーズにワークフローを管理できます。

廃棄

保管期限が切れた文書は、廃棄しなければいけません。
電子化された文書ならハードディスクから削除するだけで済みますが、紙の書類は、廃棄に手間がかかります。なぜなら、完全に情報が読めないようにして廃棄しなければいけないからです。廃棄するすべての書類をシュレッダーにかけていると非常に工数もかかりますよね。そのような場合は文書を廃棄する専門の業者に相談すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、ISO9001と文書管理について解説しました。
企業活動において文書は血液とも言える存在であり、文書を主体として業務が回っていきます。その文書の管理方法の統一によって、効率化や企業ブランドの向上などさまざまなメリットがあります。ISO9001の取得と文書管理システムの導入をぜひおすすめします。

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