Microsoft Entra ID(旧称 Azure Active Directory)で何ができる? 安全で快適なクラウド利用を目指すには
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近年、企業のあらゆる現場でクラウドサービスが普及しており、『令和4年 通信利用動向調査の結果』によると7割以上の企業が活用しています。クラウドサービスは、場所と端末を問わずにアクセスできることから、テレワークへの対応や業務効率化などに役立てられています。
一方、社外のネットワークを利用したり、使用する端末が増えたりすると、不正アクセスによる機密情報の漏えい、データの破損などにつながるリスクがあります。
安全かつ快適にクラウドサービスを利用するには、ユーザーのID管理やセキュリティ対策が欠かせません。そこで活用できるのが、アカウント管理を行える“Microsoft Entra ID(旧称 Azure Active Directory)(※)”です。
社内の業務基盤や情報資産をクラウドサービスへ移行しようと検討している企業担当者のなかには、「Microsoft Entra ID はどのようなサービスか」「どのようなメリットがあるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Microsoft Entra ID の概要や機能、導入のメリットについて解説します。
※Microsoft Entra ID は マイクロソフト社が提供する製品です。
出典:総務省『令和4年通信利用動向調査の結果』
Microsoft Entra ID とは
Microsoft Entra ID とは、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスのアカウント管理ツールです。以前は Azure Active Directory というサービス名称でしたが、2023 年 10 月から新しく Microsoft Entra ID へと変更になりました。
Microsoft Entra ID には、各種クラウドサービスにおけるユーザーの ID・パスワードを一元管理できるほか、認証やアクセス制限などのセキュリティ機能が備わっています。
近年では、インターネット経由で利用できるクラウドサービスが普及しており、業務や情報共有、データの管理などに活用されています。しかし、クラウドサービスの ID・パスワードを使い回したり、サイバー攻撃を受けたりすることによって、第三者による不正アクセスが行われるリスクがあります。
▼クラウドサービスのセキュリティリスク
画像引用元:総務省『クラウドサービス利用上の注意点』
情報漏えいや第三者による不正行為を防ぐためには、アカウント情報を厳重に管理して、ユーザー認証、アクセス制限などの対策を行うことが重要です。Microsoft Entra ID は、クラウドサービスを安全に利用するためのアカウント管理に役立てられます。
出典:総務省『クラウドサービス利用上の注意点』
Microsoft Entra ID の主な機能
Microsoft Entra ID には、クラウドサービスのアカウント情報やアクセスを管理する機能が備わっています。
▼Microsoft Entra ID の主な機能
機能 |
詳細 |
多要素認証 |
電話・SMS・ワンタイムパスワードなどの複数の要素で認証を行う |
条件つきアクセス制御 |
アクセスポリシーを構築して、条件に基づいたアプリケーションやデバイスなどのアクセス方法を制御する |
シングルサインオン(SSO) |
一つのクラウドサービスで認証を行うと Microsoft Entra ID に連携されている各サービスでの認証が不要になる |
特権 ID 管理 |
管理者アカウントの権限を設定して、重要なリソースへのアクセスを制限する |
アクセスログ管理 |
Microsoft Entra ID を経由した認証およびサービスへのアクセスを記録する |
エンドユーザーセルフサービス |
ポータルサイトを使用して、ユーザー(従業員)自身で ID・パスワードを管理する |
多要素認証を導入すると、ID・パスワードだけによるログインよりも強固な認証を行えるようになります。また、業務内容や権限に応じてクラウドサービスへのアクセスを制御することが可能です。
シングルサインオンは、各クラウドサービスへとシームレスにアクセスできる仕組みとなっており、ID・パスワードの使い回しを防止できます。アクセスできるアプリケーション・デバイスなどを包括的に管理することで、なりすましや不正アクセスなどのリスクを防ぎやすくなります。
Microsoft Entra ID を活用するメリット
Microsoft Entra ID を活用すると、クラウドサービスを安全に利用できるようになるほか、アカウント管理に関するコストや労力を削減することが可能です。
①コストの削減
1つ目のメリットは、サーバやソフトウェアの導入コスト、保守運用にかかるコストを削減できることです。
Microsoft Entra ID はクラウドベースのアカウント管理ツールに当たるため、自社でサーバを構築したり、ソフトウェアを導入・管理したりする必要がありません。
また、利用したサービスに応じて料金が請求される従量課金制となっており、目的や用途に応じてコストを調整しやすいメリットがあります。
②アカウント管理業務の負担軽減
2つ目のメリットは、アカウント管理業務の負担を軽減できることです。
Microsoft Entra ID は、クラウドサービスのアカウントだけでなく、オンプレミスにあるサービスのアカウント情報を統合して可視化・制御することが可能です。
また、ユーザーによるパスワードのリセット機能が搭載されており、管理者がリセット・再発行の処理を行う必要がなくなります。
これらの機能によって、各種サービスごとにアカウントを個別管理する必要がなくなり、管理業務の負担軽減につながります。
③セキュリティの強化
3つ目のメリットは、セキュリティを強化できることです。
Microsoft Entra ID を導入すると、多要素認証やアクセスログの管理、アクセス制御などの機能によって不正アクセスのリスクを防止できるほか、インシデントを早期に発見することが可能です。
クラウドサービスの利用にあたって生じるおそれのあるセキュリティのリスクに対応して、安全性を高められます。
④ログインの効率化
4つ目のメリットは、クラウドサービスへのログインを効率化できることです。
シングルサインオンを活用すると、複数のクラウドサービスでの認証を一括で行えるようになり、ログインにかかる工数や時間を削減できます。
業務を行う際に複数のクラウドサービスを行き来する場合にも、シームレスなアクセスができるようになるため、作業の効率化につながります。
⑤サーバの拡張・縮小の容易化
5つ目のメリットは、サーバの拡張・縮小がしやすくなることです。
Microsoft Entra ID の利用には、物理的なサーバを構築する必要がないことから、規模の拡張・縮小を行いやすくなります。Microsoft Entra ID のユーザー登録者や管理端末が増減する場合にも、短時間で柔軟に対応できるようになります。
Microsoft Entra ID のプラン一覧
ここからは、Microsoft Entra ID のプラン一覧を紹介します。
▼Microsoft Entra ID のプランと料金
プラン |
料金 |
詳細 |
Azure Active Directory free |
無料 |
|
Microsoft Entra ID P1 |
750 円(ユーザー/月) |
|
Azure Active Directory Premium P2 |
1,130 円(ユーザー/月) |
|
Microsoft Entra ID Governance |
880 円(ユーザー/月) |
|
※Microsoft Azure、Microsoft 365、Microsoft 365 E3、Microsoft 365 Business Premium は、マイクロソフト社の登録商標です。
まとめ
この記事では、Microsoft Entra ID について以下の内容を解説しました。
- Microsoft Entra ID とは
- Microsoft Entra ID の主な機能
- Microsoft Entra ID を活用するメリット
- Microsoft Entra ID のプラン一覧
Microsoft Entra ID を活用すると、クラウドサービスの ID・パスワードを管理したり、認証やアクセス制限を行ったりしてセキュリティの安全性を高められます。
クラウドベースのツールのため、サーバやソフトウェアを運用するコストと労力を削減できるほか、ログインの効率化、サーバの拡張・縮小がしやすくなるなどのメリットも期待できます。
また、オンプレミスにあるサービスのアカウント情報も統合して管理できることから、ハイブリッド環境で業務を行う場合にも役立てられます。
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