Power Apps を活用した予約システムで業務効率化を実現
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社内のイベントの参加予約や会議室の予約をメールと Excel で管理している会社は多いでしょう。
しかし、いちいちメールをチェックしてそれを Excel に落とし込むのは非常に手間ですよね。しかし、その手間は Powe Apps で解消できるかもしれません。
Power Apps は、Microsoft 365 で利用できるビジネスアプリケーション作成ツールです。
本記事では、Power Apps を使った予約システムについて解説します。
Power Apps とは
Power Apps とは、Microsoft 365 のパッケージに含まれているアプリケーションの1つです。
このアプリを使えばプログラミングなどの知識が無くても、かんたんに独自のアプリケーションを作れるのです。予約システムも例外ではありません。
Power Apps のテンプレートとは?
テンプレートとは、Power App で作るアプリケーションのひな形のようなものです。
いくら Power Apps でノーコード開発ができるとはいえ、一からアプリを全て作るのは非常にめんどうに思う人もいるでしょう。
例えば予約システムなら予約のフォームをどのように配置するか、ページの遷移はどうするか、申込み処理とキャンセル処理の分岐はどうするか、そのような仕様をいちいち考えなければなりません。めんどうですよね。そんな人のために用意されているのがテンプレートです。
予約システムであれば、上記のような仕様は、最低限必要な形が概ね決まっていますよね。このように、予約システムに「最低限必要なもの」をひな形にして、かんたんな操作ですぐにアプリが作れるようにしたものがテンプレートです。テンプレートを使えば短い時間でアプリを開発できるので、業務の効率化に繋がります。
Power Apps でできること
Power Apps でできるのは「エンジニアに頼まなくても自分でアプリを開発すること」です。
業務を楽にするために、ちょっとしたアプリを作りたいときがありますよね。そんな時は、IT部門に頼むと思います。そこから打ち合わせをして、何回もメールのやり取りをして、試作品が上がってくるのを待ちながら「そこまで本格的に作らなくてもいいんだけどなぁ…」と思うケースがありませんか?Power Apps が効果を発揮するのはそのような場面です。Power Apps を使えば他部門や外部のエンジニアに頼らずに、自分ですぐにアプリ開発ができるのです。もちろんプログラミングの専門的知識は、ほとんどいりません。
Power Apps で予約システムを作成
予約システムを作成する時のポイントと注意点
1.予約のプロセスをしっかりと理解した上で作る
アプリを作る際には、予約のプロセスをしっかりと把握した上で作りましょう。予約のプロセスとは、実際の予約作業においてどのような動作が必要か、何ができなければいけないのかです。
例えば、会議室の予約システムにおいてユーザーが予約したいときには、フォームに必要事項を入力し、送信ボタンを押し、画面が遷移して、予約が完了するとします。このとき、すでに会議室の予約が満枠だったらどうするでしょうか。エラーメッセージを表示して終わるか、それともキャンセル待ちの機能を付けるか。また、予約完了後のフォローは必要でしょうか?例えば期日間際になったら自動でリマインドメールを送るといった仕様が考えられます。
このような予約の流れやイレギュラーな事態への対応をきっちりと決めた上で作らないと、予約したつもりで予約できてなかったり、予約がバッティングしてしまったりといったトラブルが起きやすくなります。
2.SharePoint などについてのある程度の知識が必要
Power Apps で予約システムを作るには Excel や SharePoint などのデータベースが必要です。
テンプレートを使えば、Power Apps でアプリを作るのはかんたんですが、ある程度 Excel や SharePoint の知識があることが前提です。Excel も SharePoint も何もわからないという状態だとアプリを作るのは厳しいでしょう。その場合は知識のある人にお願いして作ってもらうか、ある程度勉強してから作ったほうが良いでしょう。
Power Automate の活用で他 Microsoft 製品との連携
Power Automate というアプリをご存じでしょうか? Power Apps とは別のアプリです。
Power Automate とは、業務プロセスを自動化するためのアプリです。例えば、Power App で作ったアプリで予約申込みがあったら受付完了メールを送り、SharePoint に自動で内容を追加するといった動きができます。Power Apps で作ったアプリと他の Microsoft 製品を Power Automate で連携すると、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:アプリによる業務自動化)が実現できますので、生産性向上に寄与すると考えられます。
Power Apps で予約システムを作るメリット
Power Apps で予約システムを作ると何が良いのでしょうか?
もしアプリ開発を外部のエンジニアに頼もうとすると経済的コストが発生します。
また、社内のエンジニアに頼もうとしてもコミュニケーションコストが発生します。しかし、Power Apps を使えば、外部との契約や煩わしいコミュニケーションもなく自分で素早く開発できます。
また、エンジニアに対して自分が思い描いているアプリのイメージを伝えるのは意外と難しいものです。出来上がったアプリを見てみたら自分が思い描いていたものと全然違ったという結果になりかねません。Power Apps を使って自作すると自分の頭の中のイメージをそのまま形にできるのです。
Power Apps と他の方法との比較
フォーム作成サービスとの比較
巷にはフォーム作成サービスを提供している企業がたくさんあります。
これらを使えば Power Apps と同じようにかんたんに予約システムが作れるでしょう。しかし、これらのサービスには重要なデメリットがあります。
まずコストの問題です。フォーム作成サービスは多くの場合有料で提供されています。個人なら無料で使える場合もありますが、法人が使う際にはユーザー数に応じて利用料金を払わないといけないケースが多いです。一方で Power Apps を使えばすでに利用している Microsoft 365 の料金の範囲内で使えます。
Excel 共有との比較
Excel をファイル共有して予約希望者に書き込んでもらうという原始的な方法もあります。
しかし、この方法だと予約の確定ができません。一度書き込んだ予約を誰でも容易に書き換えられてしまうため、予約システムとしてはふさわしくないでしょう。
まとめ
Power Apps は、効率的に予約システムを作るのに強い味方となってくれるツールです。
Power Automate や他の Microsoft アプリと組み合わせれば、ほとんど自動的に予約を管理できるようになります。予約システムを必要としている人にはおすすめのアプリです。