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Azure Backup とは?特徴や機能をわかりやすく解説

Azure Backup は、Microsoft が提供しているバックアップサービスです。バックアップは、データの安全性を守るのに非常に重要ですが、取るのに非常に手間がかかります。これを自動化できるかが、データ管理におけるコツです。本記事では、Azure Backup について解説します。


Azure Backup とは

Azure Backup とは、Microsoft が提供しているデータのバックアップサービスです。Azure 関係のバックアップだけでなく、オンプレミスのデータのバックアップにも使えます。

Azure Backup について説明する前に、まず、「バックアップ」とは何なのかについておさらいをしましょう。

バックアップとは?

バックアップとは、データが破損したり消失したりしたときのために、あらかじめそのデータの複製データを別の場所に確保しておくことを言います。データが破損する原因はたくさんあります。例えば、以下のようなものです。

 システムの不具合
 人為的な誤操作
 サイバー攻撃
 災害によるデータセンターの破損

このような事態が発生した場合でも、普段からバックアップを取っておけば、それをリストアして早期に復旧できます。しかし、バックアップは、定期的に取らなければならず、企業がバックアップを取るべきデータは膨大なので、手作業では、十分な対応ができない場合が多いです。そこで、企業のデータ管理には、Azure Backup のようなバックアップ管理システムが必要なのです。

※参考サイト:Microsoft 公式サイト| Azure Backup サービスとは launch

Azure Backup のバックアップ方式

Azure Backup では、2つのバックアップ方式をサポートしています。それは、完全バックアップと増分バックアップです。それぞれのバックアップについて説明します。

完全バックアップ

完全バックアップは、バックアップ対象のデータを全てバックアップする手法です。例えば、バックアップ対象のデータが 100 GB あるとします。このデータを毎日バックアップする設定になっていた場合、1月1日には、100 GB 全てバックアップします。1月2日にデータが 1 GB 増えて、101 GB になったとすると、バックアップは、101 GB 全て取ります。1月3日に、さらに4 GB 増えて 105 GB になったとしても、バックアップは、105 GB 全部取ります。このとき、3日間で合計 306 GB のバックアップを取ったことになります。メリットは、全てのデータをバックアップに取るので、安全性が高く、確実にリストア可能なことです。デメリットは、毎回全てのデータをバックアップするので、膨大なディスク容量が必要になることです。Azure Backup では、初回バックアップが完全バックアップとなっています。

増分バックアップ

増分バックアップとは、前回のバックアップから増加した差分だけを保存していく手法です。例えば、1月1日に 100 GB のデータがあったとします。まず、この 100 GB 全体のバックアップを取ります。もし、1月2日に 101 GB に増えた場合、増えたぶんの 1 GB だけ保存します。1月3日に 4 GB 増えて 105 GB になった場合、1月2日からの増加分 4 GB を保存します。1月4日に、さらに 2 GB 増えて 107 GB になった場合、1月3日からの増加分 2 GB を保存します。このように前のバックアップデータからの差分だけを毎回保存するのが増分バックアップです。メリットは、バックアップのデータ量が最小限で済み、必要な時間も少なくなる点です。しかし、デメリットもあります。それは、今までに取ったバックアップデータ全てが揃わないと完全に復元できないことです。例えば、上記の例で言えば、1月1日〜1月4日のバックアップデータを全てそろえて繋ぎ合わせないと、1月4日のデータの状態は復元できません。全部を繋ぎ合わせる必要があるので、復元に時間もかかります。Azure Backup において日々のバックアップは、増分バックアップとなります。

Azure Backup では提供されていない「差分バックアップ」

差分バックアップは、バックアップ対象データとして設定されたデータの差分だけを保存していく手法です。例えば、1月1日に100 GB のデータがあり、これをバックアップ対象と設定したとします。まず、この 100 GB 全体のバックアップを取ります。もし、1月2日に 101 GB に増えた場合、増えた分の 1 GB だけ保存します。1月3日に 4 GB 増えて、105 GB になった場合、1月1日の 100 GB からの増加分 5 GB を保存します。1月4日にさらに、2 GB 増えて 107 GB になった場合、1月1日の 100 GB からの増加分 7 GB を保存します。このように、最初に設定したデータからの差分だけを毎回保存するのが差分バックアップです。メリットは、完全バックアップよりもデータ量が少なくて済む点です。しかし、後述する増分バックアップよりは、データ量が多いというデメリットもあります。差分バックアップは、Azure Backup では提供されていません。

※参考サイト:Microsoft 公式サイト| バックアップの種類 launch

Azure Backup (MARS)でできること

Azure Backup では、Azure 関係のデータだけでなく、オンプレミス環境のデータもバックアップできます。そのためのツールを MARS エージェントといいます。MARS エージェントで取得したバックアップは、Azure の Recovery Service に格納されます。

バックアップ対象

MARS エージェントのバックアップ対象は以下の通りです。

 オンプレミスの Windows マシン
 Azure VM
 Microsoft Azure Backup Server
 DPM サーバー

上記のファイルやフォルダ、システムの状態のバックアップが可能です。

オンプレミスのサーバーのBCP対策に利用可能

オンプレミスのシステムを利用している企業の大きな課題点が、BCP でしょう。大規模な災害などで社屋のある地域が被災した場合、クラウドのシステムを利用している企業よりも復旧が難しくなります。なぜなら、社屋や人員が被災しているだけでなく、社内のオンプレミスシステムも破損している可能性があるからです。そこで、Azure Backup の MARS エージェントを導入しておけば、社屋以外の遠隔地にデータをバックアップしておくことができます。


Azure Backup の注意点

Azure Backup には、いくつかの注意点があります。

保持期間と料金の関係

バックアップデータには、保持期間があります。保持期間を過ぎるとバックアップデータが削除されてしまい、復元できなくなります。したがって、保持期間をできるだけ長く取るほうが良いですが、保持期間を長く取れば取るほど保存するデータ量が増えるため、料金が高くなります。コストとリスクのバランスを取り、最適な保持期間を設定しましょう。

リストアにかかる時間

バックアップデータは、膨大なサイズとなりますので、それを復旧するにも時間がかかります。どれだけの時間が復旧にかかるかを事前に計算した上で把握しておきましょう。特に、BCP 対応を目的としてバックアップを取る場合は、リストアの時間が不確実になりやすいです。なぜなら、インフラや通信設備が破損している可能性や、混乱によりサーバーがダウンしている可能性があるからです。リストアにかかる時間が長すぎた場合にどうするのか、事前にポリシーを決めておきましょう。


Azure Backup の保持期間

Azure Backup の保持期間は、自由に設定できますが、設定できる期間はバックアップの頻度に応じます。例えば、1日単位のバックアップならば 1 〜 9999 日、1週間単位なら 1 〜 9999 週、1ヶ月単位なら 1 〜 9999 ヶ月、年単位なら 1 〜 9999 年です。長くすればするほど高額な料金がかかるので適切な長さを設定しましょう。


Azure Backup の利用料金

Azure Backup は、従量課金制なので、バックアップ対象データの大きさや保持期間によって料金も変わります。Microsoft が見積もりツールを用意していますので、自分で見積もりをしてから利用しましょう。

※参考サイト:Microsoft 公式サイト| Azure Backup の価格 launch
※参考サイト:Microsoft 公式サイト| 料金計算ツール launch

まとめ

Azure Backup は非常に役立つバックアップツールです。完全バックアップ、増分バックアップに対応しています。ただし、料金が従量課金制であり、データの保持期間や大きさによって変わりますので、事前に見積もりをしてから導入するのがおすすめです。ぜひ参考になさってください。


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