SharePoint のリストでアコーディオン形式の社内FAQを作成する方法
目次[非表示]
- 1.SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成するメリット
- 1.1.ユーザーエクスペリエンスの向上
- 1.2.情報の整理とアクセスの簡便化
- 2.SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成する手順
- 2.1.SharePoint サイトの設定
- 2.2.FAQリストの作成
- 2.3.グループ化されたビューを作成する
- 2.4.質問と回答を入力する
- 3.FAQリストの管理と更新
- 3.1.定期的な内容の見直し
- 3.2.ユーザーフィードバックの活用
- 4.FAQリストのデメリットと解決策
- 4.1.デメリット
- 4.1.1.カスタマイズの制限
- 4.1.2.ユーザー教育の必要性
- 4.2.解決策
- 4.2.1.カスタマイズの制限に対する解決策
- 4.2.2.ユーザー教育に対する解決策
- 5.まとめ
Microsoft SharePoint(以下、SharePoint)を活用して社内FAQを作成することは、ユーザーエクスペリエンスの向上や情報の整理に大いに役立ちます。
この記事では、アコーディオン形式の社内FAQを SharePoint のリストで作成するメリットから、具体的な手順、実装方法、管理と更新のポイント、そしてよくある質問とその対処法までを詳しく解説します。
初心者から上級者まで、誰でも簡単に実践できるガイドとして、SharePoint を使った社内FAQ作成の方法をお届けします。
SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成するメリット
SharePoint を利用してアコーディオン形式の社内FAQを作成することには、多くのメリットがあります。ここでは、ユーザーエクスペリエンスの向上と情報の整理・アクセスの簡便化という二つの観点から、その利点を詳しく見ていきます。
ユーザーエクスペリエンスの向上
アコーディオン形式の社内FAQは、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる効果があります。具体的には、以下のような点が挙げられます。
視覚的な魅力 |
アコーディオン形式は、質問と回答をコンパクトにまとめることができ、ページ全体がすっきりとした印象になります。ユーザーは必要な情報だけを展開して読むことができるため、視覚的な負担が軽減されます。 |
操作の簡便さ |
ユーザーはクリック一つで質問を展開・閉じることができるため、情報を探す手間が省けます。特にモバイルデバイスでの操作性が向上し、どこからでも簡単にアクセスできる点が魅力です。 |
読みやすさの向上 |
長文のテキストを一度に表示するのではなく、必要な部分だけを表示することで、ユーザーは情報を段階的に理解することができます。これにより、情報の消化がしやすくなり、理解度が向上します。 |
インタラクティブ
な体験
|
アコーディオン形式は、ユーザーにインタラクティブな体験を提供します。ユーザーが自ら情報を展開することで、能動的に情報を取得する感覚を得られ、サイトへのエンゲージメントが高まります。 |
情報の整理とアクセスの簡便化
アコーディオン形式の社内FAQは、情報の整理とアクセスの簡便化にも大いに役立ちます。以下にその具体的な利点を示します。
情報の階層化 |
アコーディオン形式を用いることで、情報を階層的に整理することができます。関連する質問と回答をグループ化し、ユーザーが必要な情報を素早く見つけやすくなります。 |
スペースの有効活用 |
ページ上のスペースを効率的に使用できるため、限られたスペースでも多くの情報を提供することが可能です。ページのスクロール量が減り、ユーザーはストレスなく情報にアクセスできます。 |
更新の容易さ |
SharePoint を利用することで、社内FAQの更新が容易になります。新しい質問や回答を追加する際も、既存の構造を崩すことなく、簡単に情報を追加・修正することができます。 |
ユーザーのフィードバック活用 |
SharePoint の機能を活用して、ユーザーからのフィードバックを収集し、それを基に社内FAQを改善することができます。これにより、常に最新で有用な情報を提供し続けることが可能です。 |
SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成する手順
ここでは、SharePoint のリストでアコーディオン形式の社内FAQを作成する手順を解説します。完成形は以下のようになります。
SharePoint サイトの設定
SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成するためには、前提条件としてサイトを作成しておく必要があります。サイト作成手順については、以下の記事で図付きで解説しているのでご覧ください。
FAQリストの作成
上記の完成形のようなアコーディオン形式の社内FAQを SharePoint で作成するには、カテゴリと質問と回答の 3 つのテキスト列を持つリストを作成する必要があります。手順は以下の通りです。
1.[歯車アイコン] > [サイトコンテンツ]をクリックします。
2.[+ 新規] > [リスト]をクリックします。
3.[空白のリスト]をクリックします。
4.①リストの[名前]に「FAQ」と入力します。
ここで注意点してほしいのが、リスト名は英語やローマ字表記で入力するということです。理由は、リスト名がURLに使用されるためです。英語やローマ字表記で入力するとそのリスト名がそのままURLに使われますが、日本語で入力すると List1、List2、List3…といった具合に自動でリスト名が割り振られてしまいます。そうすると、URLを見たときに何のリストか判別しづらくなってしまうため、リスト名は英語やローマ字表記で入力することをおすすめします。
なお、あとからリスト名を日本語に変更してもURLに影響はないので、リスト名を日本語にしたい場合は、一旦英語やローマ字表記で入力し、その後、日本語に修正するようにしましょう。
②サイト ナビゲーションに FAQ を表示したい場合は、チェックを入れます(デフォルトはチェックが入っています)。ここでは、チェックを外して進めます。
③[作成]をクリックします。
5.リストを新規作成するとタイトル列がデフォルトで作成されます。ここでは、そのタイトル列を質問列として使用します。[タイトル] > [列の設定] > [名前の変更]をクリックします。
6.[名前]に「Question」と入力し、[保存する]をクリックします。
ここで注意してほしいのが、列名は英語やローマ字表記で入力するということです。理由は、列名がURLに使用されるためです。英語やローマ字表記で入力するとその列名がそのままURLに使われますが、日本語で入力するとエンコード(符号化)された文字列がURLで使用されます。そうすると、URLを見たときに何の列か判別しづらくなってしまうため、列名は必ず英語やローマ字表記で入力しましょう。
なお、あとから列名を日本語に変更してもURLに影響はないので、列名を日本語にしたい場合は、一旦英語やローマ字表記で入力し、その後、日本語に修正するようにしましょう。
7.次に、回答列を追加します。回答が長い場合に備えて複数行のテキストを使用します。[+ 列の追加] > [複数行テキスト] > [次へ]をクリックします。
8.[名前]に「Answer」と入力し、[保存]をクリックします。
9.さらに、カテゴリ列を追加します。[+ 列の追加] > [テキスト] > [次へ]をクリックします。
10.[名前]に「Category」と入力し、[保存]をクリックします。
グループ化されたビューを作成する
次に、カテゴリと質問ごとにリストをグループ化するビューを作成します。リストをそのままにしておくこともできますが、アコーディオン形式の外観にするにはグループ化が必要です。グループ化することで、部門ごとに質問をまとめられるため、目的の質問に辿り着きやすくなります。
1.[歯車アイコン] > [リストの設定]をクリックします。
2.ページの下部にある[ビューの作成]をクリックします。
3.既存のビューから作成開始の[すべてのアイテム]をクリックします。
4.①[ビュー名]に「GroupedByCategory」と入力します。
②[このビューを既定にする] の横にあるチェックボックスをオンにします(グループ化されたビューがユーザーに表示される既定のビューになります)。
③Question と Category の横にあるチェックボックスをオフにします(次の手順でこの列でグループ化するため、表示する必要がないため)。
5.①ページの下部にある[グループ化]セクションを展開します。
②[最優先する列]のドロップダウンから「Category」を選択します。
③[2 番目に優先する列]のドロップダウンから「Question」を選択します。
④[OK]をクリックします。
質問と回答を入力する
質問と回答をリストに追加する準備ができたので入力していきます。手順は以下の通りです。
1.ページ左上の[+ 新しいアイテムを追加]をクリックします。
2.[Question]、[Answer]、[Category]を入力し、[保存]をクリックします。
3.上記の手順を繰り返し、いくつか質問と回答を追加したものは以下になります。カテゴリ、質問の順にグループ化され、開閉できるようになっています。
FAQリストの管理と更新
定期的な内容の見直し
FAQリストは、ユーザーにとって信頼性の高い情報源である必要があります。そのため、定期的な内容の見直しが欠かせません。まず、FAQリストの内容が最新の情報を反映しているか確認しましょう。
新しい製品やサービスのリリース、ポリシーの変更、ユーザーからの新たな質問などに対応するため、定期的にFAQリストを更新することが重要です。
見直しの頻度は、企業や組織のニーズに応じて異なりますが、少なくとも四半期ごとに一度はチェックすることをお勧めします。見直しの際には、以下のポイントに注意してください。
- 情報の正確性:すべての回答が最新の情報に基づいているか確認します。
- 関連性:古くなった情報や、もはや関連性のない質問を削除します。
- 明確さ:回答がわかりやすく、簡潔であるかを確認します。必要に応じて、専門用語の説明や具体例を追加します。
また、見直しのプロセスを効率化するために、担当者を決めておくと良いでしょう。担当者は、定期的にFAQリストをチェックし、必要な更新を行う責任を持ちます。
さらに、見直しのスケジュールをカレンダーに組み込むことで、更新作業を忘れずに行うことができます。
ユーザーフィードバックの活用
ユーザーフィードバックは、FAQリストの改善において非常に重要な役割を果たします。ユーザーからのフィードバックを収集し、それを基にFAQリストを更新することで、より有用で使いやすいFAQリストを作成することができます。
フィードバックを収集する方法はいくつかあります。例えば、FAQページにフィードバックフォームを設置し、ユーザーが簡単に意見を送信できるようにすることが考えられます。
また、定期的にユーザーアンケートを実施し、FAQリストに関する意見や改善点を尋ねることも有効です。収集したフィードバックは、以下のように活用します。
- 頻出する質問の追加:ユーザーから寄せられる質問の中で、頻繁に出るものを新たにFAQリストに追加します。
- 回答の改善:ユーザーからの指摘や意見を基に、既存の回答をよりわかりやすく、具体的に修正します。
- 新しいトピックの導入:ユーザーのニーズに応じて、新しいトピックやカテゴリを追加し、社内FAQの内容を充実させます。
さらに、フィードバックをもとにした改善点をユーザーに知らせることで、ユーザーの意見が反映されていることを示し、信頼関係を築くことができます。例えば、FAQページに「ユーザーフィードバックに基づく最新の更新情報」を掲載し、どのような変更が行われたかを明示することが考えられます。
また、FAQリストの管理と更新を効率化するために、専用のツールやソフトウェアを活用することも一つの方法です。これにより、フィードバックの収集や分析、更新作業がスムーズに行えるようになります。
FAQリストのデメリットと解決策
メリットの多いFAQリストですが、少なからずデメリットも存在します。ここでは、FAQリストのデメリットと解決策について解説します。
デメリット
カスタマイズの制限
SharePoint のリストを使用してアコーディオン形式のFAQを作成する際、以下のようなカスタマイズの制限が考えられます。
デザインの制約 |
SharePoint の標準機能では、デザインの自由度が限られており、企業のブランドガイドラインに完全に一致するデザインを実現するのが難しい場合があります。インタラクティブなデザインを実装するには、追加のカスタマイズが必要です。 |
機能の制約 |
SharePoint のリストは基本的なデータ管理には適していますが、複雑な機能を追加するには限界があります。例えば、動的なフィルタリングや高度な検索機能を実装するには、追加の開発が必要になることがあります。 |
パフォーマンスの問題 |
大量のデータを扱う場合、SharePoint のリストのパフォーマンスが低下することがあります。特に、複数のユーザーが同時にアクセスする場合や、リストが非常に大きくなった場合に、読み込み時間が長くなることがあります。 |
ユーザー教育の必要性
SharePoint を初めて使用するユーザーにとって、その操作方法や機能を理解するのに時間がかかることがあります。以下の点が特に課題となります。
初期学習コスト |
SharePoint の基本的な操作方法や、リストの作成・管理方法を学ぶためには、一定の時間と労力が必要です。特に、ITリテラシーが低いユーザーにとっては、学習のハードルが高く感じられることがあります。 |
継続的なサポートの必要性 |
初期導入後も、ユーザーがシステムに慣れるまでの間、サポートやヘルプデスクの負担が増える可能性があります。特に、FAQリストの更新や管理に関する質問が多く寄せられることが予想されます。 |
トレーニングの必要性 |
効果的に SharePoint を活用するためには、定期的なトレーニングが必要です。新しい機能の追加やシステムのアップデートに伴い、ユーザーに対する継続的な教育が求められます。 |
解決策
カスタマイズの制限に対する解決策
カスタマイズの制限を克服するためには、以下のような方法があります。
サードパーティ
ツールの利用
|
SharePoint と連携できるサードパーティのアドオンやツールを利用することで、デザインや機能のカスタマイズが容易になります。 例えば、アコーディオン形式の表示をサポートするWebパーツを追加することができます。これにより、標準機能では実現できない高度なカスタマイズが可能になります。 |
カスタムスクリプトの導入 |
JavaScript や CSS を使用して、SharePoint のリストをカスタマイズすることができます。これにより、より柔軟なデザインやインタラクティブな機能を実装することが可能です。 ただし、スクリプトの導入には技術的な知識が必要です。社内に専門知識を持つスタッフがいない場合は、外部の専門家に依頼することも検討してください。 |
Power Platform
の活用
|
Microsoft 365 に付属している Microsoft Power Platform(Microsoft Power Automate、Microsoft Power Apps、Microsoft Power BI など)を利用することで、SharePoint のリストを拡張し、より高度なカスタマイズを行うことができます。 Microsoft Power Automate を使用してワークフローを自動化したり、Microsoft Power Apps でカスタムフォームを作成したりすることができます。これにより、SharePoint の標準機能を超えた柔軟なソリューションを提供することができます。 |
定期的なレビュー
と改善
|
FAQリストの運用を定期的にレビューし、必要に応じて改善を行うことが重要です。ユーザーからのフィードバックを収集し、カスタマイズのニーズに応じて適宜対応することで、より使いやすいシステムを維持することができます。 |
ユーザー教育に対する解決策
ユーザー教育の負担を軽減するためには、以下のような方法があります。
トレーニングプログラムの実施 |
新しいシステムの導入時に、ユーザー向けのトレーニングセッションを開催することで、基本的な操作方法やFAQリストの管理方法を学んでもらいます。 オンラインチュートリアルやビデオガイドを提供することも有効です。これにより、ユーザーが自分のペースで学習できる環境を整えることができます。 |
サポートドキュメントの整備 |
ユーザーが困ったときに参照できるよう、詳細なマニュアルや FAQ を作成しておきます。これにより、ユーザーが自己解決できるようになり、サポートの負担を軽減できます。 特に、よくある質問やトラブルシューティングガイドを充実させることで、ユーザーの疑問を迅速に解決することができます。 |
継続的なサポートの提供 |
初期導入後も、定期的にユーザーからのフィードバックを収集し、必要に応じて追加のトレーニングやサポートを提供します。 ユーザーコミュニティを形成し、情報共有や問題解決を促進することも効果的です。例えば、定期的なユーザーミーティングやフォーラムを開催し、ユーザー同士が経験や知識を共有できる場を提供することが考えられます。 |
エンゲージメントの向上 |
ユーザーが積極的にシステムを利用するよう促すために、エンゲージメントを高める施策を実施します。 例えば、利用状況に応じたインセンティブを提供したり、成功事例を共有したりすることで、ユーザーのモチベーションを高めることができます。 |
シンプルなインターフェースの提供 |
ユーザーが直感的に操作できるよう、シンプルで分かりやすいインターフェースを提供することが重要です。複雑な操作を必要としないように設計し、ユーザーが迷わずに目的の情報にアクセスできるようにします。 これにより、ユーザーの学習コストを低減し、システムの利用率を向上させることができます。 |
これらの解決策を実施することで、FAQリストのデメリットを最小限に抑え、効果的な情報共有を実現することができます。ユーザーのニーズに応じたカスタマイズと、継続的なサポートを提供することで、FAQリストの運用を成功させることができるでしょう。
まとめ
この記事では、SharePoint のリストで作るアコーディオン形式の社内FAQについて以下の内容を解説しました。
- SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成するメリット
- SharePoint でアコーディオン形式の社内FAQを作成する手順
- FAQリストの管理と更新
- FAQリストのデメリットと解決策
SharePoint のリストでアコーディオン形式の社内FAQを作成することは可能ですが、より柔軟なデザインやインタラクティブな機能を実装するには技術的な知識が必要です。社内に専門知識を持つスタッフがいない場合は、外部の専門家に依頼することも検討しましょう。
『 ez office 』では、SharePoint を活用して FAQ をアコーディオン形式で管理できる ez Webパーツアプリ『 ez FAQ 』を提供しております。
各部門のFAQを一つのサイトに集約し、一元管理が可能です。カテゴリ分けや質問内容、キーワードでの検索機能を備えており、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけることができます。また、よく見られているFAQやホットキーワードの表示機能もあり、ユーザーの関心を把握しやすくなっています。
さらに、リアクション機能を通じてユーザーのフィードバックを収集し、FAQの内容を改善することができます。これにより、FAQ管理の手間を大幅に削減し、スムーズな情報アクセスを実現します。
利用者向けおよび管理者向けのマニュアルも付属しているため、ユーザー教育の手間も軽減できます。導入後のサポートも実施しているため、安心してお使いいただけます。
詳しくは以下のサービスページをご覧ください。