Microsoft 365 の Exchange Online の基本機能と活用メリット

📣 この記事でわかること |
✔ 導入時の注意点 |
取引先や顧客、従業員などと円滑なコミュニケーションを取るために欠かせないものがメールサービスです。Microsoft 社が提供している Microsoft 365(※)のなかにも、Microsoft Exchange Online(以下、Exchange Online)というメールサービスが含まれています。Exchange Online は、多様な機能によって社内業務での幅広い活用ができると期待されています。
企業のシステム部門担当者のなかには、「Exchange Online にはどのような機能が備わっているのか」「ほかのメールサービスと比べてどのようなメリットがあるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Exchange Online の基本的な機能と企業が使用するメリットについて解説します。
※Microsoft 365 は、マイクロソフトグループの企業の商標です。
目次[非表示]
- 1.Exchange Online とは
- 2.Exchange Online の主な機能
- 2.1.予定表の共有
- 2.2.社内リソースの管理
- 2.3.メールフロールールの設定
- 2.4.共有メールボックスの作成
- 2.5.Outlook モバイル アプリの活用
- 3.Exchange Online を活用する 6 つのメリット
- 3.1.①大容量のメールボックスを使用できる
- 3.2.②会議室・備品の予約を効率的に行える
- 3.3.③チームの連携が円滑になる
- 3.4.④安全なメール運用を行える
- 3.5.⑤どこにいても仕事ができる「マルチデバイス対応」
- 3.6.⑥運用コストと手間の削減
- 4.料金プランとライセンスの選び方
- 5.導入・移行のステップ
- 6.まとめ
- 7.FAQ:よくある質問
- 7.1.オフラインでもメールは見られますか?
- 7.2.Gmail と何が違うのですか?
- 7.3.バックアップは必要ですか?
- 8.Microsoft 365 無料相談実施中
Exchange Online とは
Exchange Online(エクスチェンジオンライン)とは、Microsoft 社が提供している法人向けのクラウド型メールサービスで、Microsoft 365(旧 Office 365)に含まれています。「Office アプリ(Excel、PowerPoint など)はいらない、メール機能だけが欲しい」という場合は、 Exchange Online 単体での契約も可能です。
オンプレミス版 Exchange Server との違い
Exchange Online は社内にサーバーを構築してオンプレミス環境で使用する Exchange Server のクラウド型のサービスに該当します。その主な違いを比較表で見てみましょう。
項目 | Exchange Online (クラウド) | Exchange Server (オンプレ) |
初期費用 | ほぼゼロ(サブスクリプション) | サーバー購入・ライセンス費用(高額) |
メンテナンス | Microsoft が自動実施 | 自社の IT 担当者が実施 |
セキュリティ | 常に最新の状態に更新 | 自社でパッチ適用が必要 |
可用性 | 99.9 % の稼働率保証(SLA) | 自社のインフラ・停電リスクに依存 |
拡張性 | ユーザー追加が即座に可能 | サーバーの増強が必要な場合がある |
「 Outlook 」との違い
Exchange Online と混同されやすいメール機能に、Microsoft 社が提供する Outlook がありますが、それぞれ特徴が異なります。
▼Outlook と Exchange Online の特徴
ツール | 特徴 |
Outlook | 電子メールクライアントで、メールの表示・作成を行う。 |
Exchange Online | クラウド型のメールサーバーで、メールの送受信を行う。 |
Outlook と Exchange Online のどちらか一方でメールのやり取りをすることはできず、2 つを連携させることでメールの作成・送受信が可能になります。
メールサーバーとしての役割
一般的なプロバイダーメールや無料の Web メールと異なり、企業ドメイン(例: @company.co.jp )を使用したプロフェッショナルな運用が可能です。 PC の Outlook アプリ、ブラウザ、スマートフォンなど、あらゆるデバイスでメールデータがリアルタイムに同期されます。
Exchange Online の主な機能
Exchange Online には、メールの作成・送受信に加えてさまざまな便利な機能が備わっています。すべての Microsoft 365 のプラン(Basic・Standard・Premium)で利用できる主な機能には、以下が挙げられます。
予定表の共有
Exchange Online では、ユーザー間で予定表を作成して、スケジュールを共有することが可能です。
予定表を共有するユーザーの連絡先を登録して、共有する範囲(空き時間・予定のタイトル・場所など)を設定することで、指定した従業員と予定を共有できます。
また、予定の登録・共有だけでなく、以下のような設定機能もあります。
▼予定表の共有における設定機能
- 受信したメールに記載されたイベント情報を自動で予定表に追加する
- イベントの時間・場所を設定する
- 予定の日時に合わせてアラームを設定する
- Microsoft Teams とのシームレスな連携により Web 会議を設定する
社内リソースの管理
Exchange Online のメールボックスを作成して、社内リソースの予約・管理を行うことが可能です。
社内リソースには、会議室や個室ブースなどのオフィス内の施設をはじめ、OA 機器・プロジェター・社用車などの備品が含まれます。
各リソースでメールボックスを作成することによって、Exchange Online 上で予約をしたり、予約情報を共有したりできるようになり、重複予約を防げます。
そのほか、用途に合わせてさまざまな設定が可能です。
▼社内リソースの予約・管理における設定機能
- 予約できる時間帯・最大予約時間・予約受付開始日を設定する
- 稼働時間帯(営業時間帯)のみの予約を許可する
- 予約を自動または手動で承諾するように設定する
メールフロールールの設定
Exchange Online では、メールの送受信時に特定のルールを設定することが可能です。トランスポートルールとも呼ばれます。
設定したルールに適合するかどうか、対象となるユーザー・メールのアドレス(送信先)・メッセージの内容などを検査して、転送による承認や受信のブロックなどの処理を行えます。設定可能な条件・処理は多岐にわたりますが、業務においては以下のような活用ができます。
▼メールフロールールの設定例
- 特定の取引先に送信するメールを上司に転送して承認を行う
- 契約書や提案資料を添付する際に注意事項を記載する
- 受信メールの件名・本文に特定のワードがあった際に、専門部門の担当者に転送する
共有メールボックスの作成
Exchange Online には、複数のユーザーで一つのメールボックスを共有して、送受信・管理を行える機能もあります。
共有のメールボックスを利用することで、個人ユーザーではなく組織からのメッセージとしてメールを送受信できます。複数の従業員でメール管理が行えると、送信忘れや見逃しによるミスを減らせるほか、チェック・返信の時間を短縮することが可能です。
また、統一した窓口でメールの送受信ができるため、社外の取引先・顧客からの問い合わせ窓口としても活用されるケースがあります。
なお、共有メールボックスの作成方法や問題点については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
Outlook モバイル アプリの活用
スマートフォンの Outlook アプリは、 Exchange Online と最適に連携するように設計されています。
- 優先受信トレイ:重要なメールと、ニュースレターなどを自動で仕分け
- ファイルの添付: OneDrive と連携し、大容量ファイルもリンク送信でスマートに共有
Exchange Online を活用する 6 つのメリット
Exchange Online には、ほかのメールサービスとは異なるさまざまなメリットがあります。ここでは、Exchange Online ならではのメリットを 6 つ紹介します。
①大容量のメールボックスを使用できる
1 つ目のメリットは、大容量のメールボックスを使用できることです。
一般的なプラン( Business Standard など)では、1 ユーザーあたり 50 GB のメールボックス容量が提供され、容量の大きい添付ファイルを多く保存できます。
さらに、上位プラン( Enterprise E3 / E5 )では、 100 GB のメールボックスに加え、容量無制限(拡張可能)な「インプレース アーカイブ」が利用可能です。 これにより、過去数年分のメールを消去することなく、安全に保管し続けることができます。
また、メールの送受信時の最大容量は 150 MB となっているため、一度に多くのファイルやサイズの大きい画像などをやり取りする際もスムーズです。
②会議室・備品の予約を効率的に行える
2 つ目のメリットは、会議室・備品の予約を効率的に行えることです。
会議室や備品などのリソースごとにメールボックスを作成して、効率的な予約管理を行えます。また、予約状況は一覧化されてユーザー間で共有できるため、担当者にメールや電話で使用状況を確認する工数を削減できます。
予約状況を社内で可視化できるようになれば、予約漏れ・忘れの防止にもつながります。
③チームの連携が円滑になる
3 つ目のメリットは、チームの連携が円滑になることです。
Exchange Online では、特定のユーザー間で予定表を共有できるため、会議や打ち合わせなどのスケジュールを調整しやすくなります。個別に従業員の予定を聞く必要がなくなることから、複数人のチームで連携が必要な業務にも役立ちます。
④安全なメール運用を行える
4 つ目のメリットは、安全なメール運用を行えることです。
▼Exchange Online Protection ( EOP )
Exchange Online には、マルウェアやスパムを防ぐ保護機能 Exchange Online Protection が標準搭載されています。これにより、メールを経由した外部からの攻撃を防げます。
▼Microsoft Defender for Office 365
Microsoft Defender for Office 365 は上位プランに含まれる、より高度な防御機能です。
- 安全なリンク( Safe Links ):メール内の URL をクリックした際、リアルタイムでリンク先の安全性をチェックします。
- 安全な添付ファイル( Safe Attachments ):添付ファイルを仮想環境(サンドボックス)で実際に開き、怪しい挙動がないか確認してからユーザーに届けます。
▼データの保護とコンプライアンス
また、ATP(Advanced Threat Protection)と DLP(Data Loss Prevention)によるデータの監視・保護によって、メールのセキュリティを強化することが可能です。
- ATP:電子メールのリンクや添付ファイルをチェックして、マルウェアの脅威を検知・防御する機能
- DLP:データの監視を行い、メールを経由して外部に重要な情報が漏洩するのを防ぐ機能
さらに、メールボックスを訴訟ホールドの対象にすると、削除済みアイテムと変更されたアイテムの元のバージョンを含む、すべてのメールボックスのコンテンツを保持することができます。これにより、ユーザーがメールを削除しても、管理者側でデータを保持し続けることが可能です。裁判や監査が必要になった際の証拠として利用できます。
⑤どこにいても仕事ができる「マルチデバイス対応」
Exchange Online はクラウドサービスであるため、インターネット環境さえあれば、場所を選ばずに仕事ができます。
- オフィスではデスクトップ版の Outlook
- 移動中はスマートフォンのアプリ
- 自宅の共有 PC からはブラウザ版( Outlook on the web )
これら全ての操作が同期されるため、「会社で送ったメールがスマホで見られない」といったトラブルは発生しません。
⑥運用コストと手間の削減
オンプレミス(自社運用)のサーバーとは異なり、サーバーの購入、設置、電気代、バックアップ作業、バージョンアップ対応が一切不要です。これらは全て Microsoft がクラウド側で行うため、 IT 担当者の負担は大幅に軽減されます。
料金プランとライセンスの選び方
Microsoft 365 のライセンスは多岐にわたりますが、メール( Exchange Online )を主軸に考えると、大きく「中小企業向け( 300 名以下)」「大企業・高度なセキュリティ向け」「メール単体」の 3 つに分けられます。
▼Microsoft 365 主要プラン比較一覧表
以下の表は、ビジネスでよく選ばれる主要プランの比較です。(価格は 2026 年 1 月時点の参考価格です。 7 月の改定予定については後述します。)
プラン名 | 1 ユーザーあたりのメール容量 | デスクトップ版 Office | 高度なセキュリティ | 特徴・おすすめの対象 |
Business Basic | 50 GB | × (Web 版のみ) | 標準 (EOP) | コスト重視。メールと Teams がメインの企業。 |
Business Standard | 50 GB | 〇 | 標準 (EOP) | 最も一般的。 PC で Word/Excel を使いたい企業。 |
Business Premium | 50 GB | 〇 | 強力 (Intune/Defender) | セキュリティを重視する中小企業。 PC 管理も一元化。 |
Enterprise E3 | 100 GB + 自動拡張アーカイブ | 〇 | 強力 (DLP/情報保護) | 社員数が 300 名を超える、または大容量が必要な企業。 |
Enterprise E5 | 100 GB + 自動拡張アーカイブ | 〇 | 最強 (脅威分析/音声) | コンプライアンス・分析・電話機能を統合したい企業。 |
▼メール機能のみを契約する場合(単体プラン)
「 Office アプリや Teams は不要で、プロ仕様のメールサーバー( Exchange )だけを利用したい」という場合は、以下の単体プランが選択肢になります。
単体プラン名 | メール容量 | 自動拡張アーカイブ | こんな場合におすすめ |
Exchange Online Plan 1 | 50 GB | × | 安価に独自ドメインのメールを運用したい。 |
Exchange Online Plan 2 | 100 GB | 〇 | 大容量が必要、またはメールの証拠保持が必要な場合。 |
✅【 2026 年の重要トピック】ライセンス選びの注意点
Microsoft は 2026 年 7 月 1 日付で商用価格の改定を発表しています。特に Business Premium や Enterprise E3 / E5 プランには、 AI アシスタントである「 Microsoft 365 Copilot 」の機能が順次標準搭載(またはパッケージ化)される流れにあります。その点も踏まえて、最適なライセンスを選択しましょう。
導入・移行のステップ
既存のメールサーバー(レンタルサーバーやオンプレミス)から Exchange Online へ移行する際は、以下のプロセスが一般的です。
ステップ ①:ドメインの登録と所有権の確認
Microsoft 365 管理センターに自社のドメイン( example.com )を追加し、 DNS レコード( TXT レコード)を設定して所有権を証明します。
ステップ ②:ユーザー作成とライセンス割り当て
社員一人ひとりのアカウントを作成し、適切なライセンス( Business Standard など)を付与します。
ステップ ③: DNS レコードの切り替え( MX レコード)
メールの配送先を旧サーバーから Microsoft 365 のサーバーへ向け替える作業です。これを実施した瞬間から、新しいメールは Exchange Online に届くようになります。
ステップ ④:データの移行(マイグレーション)
旧サーバーに残っている過去のメールデータを移行します。 Microsoft が提供する移行ツールを使用することで、 IMAP 経由などで一括移行が可能です。
✅注意点
大規模な移行(ハイブリッド構成)の場合、ネットワーク帯域の負荷やプロキシサーバーの設定など、専門的な知識が必要になるケースがあります。不安な場合は認定パートナーへの相談をおすすめします。
まとめ
この記事では、Exchange Online について以下の内容を解説しました。
- Exchange Online の概要
- Exchange Online の主な機能
- Exchange Online を活用するメリット
- 導入・移行のステップ
Exchange Online には、予定表やメールボックスの共有、社内リソースの予約・管理、メールフロールールの設定などの業務に役立つ機能が備わっています。これらの機能を活用することで、社内における備品・施設の予約管理を効率化したり、チームの連携を円滑化したり、安全なメール運用を行ったりできます。
もしまだ古いメールサーバーをお使いであれば、この機会にクラウド化への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。『 ez office 』では、Exchange Online をはじめ、Microsoft 365 を活用した業務改善の支援サービスを提供しています。チーム作業の効率化や情報共有の円滑化を図りたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。
FAQ:よくある質問
Q.
オフラインでもメールは見られますか?
A.
はい、可能です。 PC の Outlook アプリやモバイル アプリでは、一度受信したメールは端末にキャッシュ(保存)されるため、インターネットがない場所でも閲覧や下書き作成ができます。
Q.
Gmail と何が違うのですか?
A.
最大の違いは、 Microsoft 365 エコシステムとの親和性です。 Excel や Word などの Office ツール、および Teams との深い連携、そして詳細な権限管理機能は Exchange Online の方がビジネス向けに細かくカスタマイズ可能です。
Q.
バックアップは必要ですか?
A.
Microsoft はインフラの稼働を保証しますが、ユーザーが誤って削除したデータの長期間復旧までは保証していません。コンプライアンス要件が厳しい企業では、サードパーティ製のバックアップソリューションを併用するのが一般的です。
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