問い合わせ管理を Excel で行う方法。メリットとデメリットを解説

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目次[非表示]

  1. 1.問い合わせ管理とは
  2. 2.Excel で問い合わせ管理を行う方法
    1. 2.1.テンプレートの作成
    2. 2.2.データ入力の標準化
    3. 2.3.マクロと関数の活用
    4. 2.4.定期的なバックアップ
    5. 2.5.セキュリティ対策
  3. 3.Excel で問い合わせ管理を行うメリット
    1. 3.1.コストの削減
    2. 3.2.カスタマイズの柔軟性
    3. 3.3.使い慣れたツール
  4. 4.Excel で問い合わせ管理を行うデメリット
    1. 4.1.データの一貫性の問題
    2. 4.2.スケーラビリティの限界
    3. 4.3.セキュリティの懸念
  5. 5.Excel 以外で問い合わせを管理する方法
    1. 5.1.SharePoint リスト
    2. 5.2.専用の問い合わせ管理システム
      1. 5.2.1.Zendesk
      2. 5.2.2.Freshdesk
      3. 5.2.3.Jira Service Management
    3. 5.3.Google スプレッドシートと Google フォームの組み合わせ
  6. 6.まとめ


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Microsoft Excel(以下、Excel) は多くの企業で導入されており、コスト効率が高く、カスタマイズ性に優れたツールです。
しかし、データの一貫性やセキュリティの問題、スケーラビリティの限界といった課題も存在します。

この記事では、Excel を使った問い合わせ管理の具体的な手順とそのメリット・デメリット、Excel 以外の代替ツールについても紹介し、最適な問い合わせ管理方法を提案します。Excel を活用した効率的な問い合わせ管理を目指す方に必見の内容です。


問い合わせ管理とは

問い合わせ管理とは、顧客やユーザー、社内の問い合わせを効率的に処理・確認・追跡するためのプロセスやシステムのことです。問い合わせの内容や対応状況を一元管理し、迅速かつ適切な対応が可能になります。

問い合わせ管理の主な目的は、顧客満足度の向上と業務効率の改善です。Excel や Microsoft SharePoint(以下、SharePoint)の リスト、専用のCRMシステムなど、さまざまなツールを使って問い合わせ管理を行うことができます。便利な機能が備わっているツールを使うことで、データの可視化や分析が容易になり、対応の質を高めることができます。適切な問い合わせ管理は、企業の信頼性向上にも寄与します。

Excel で問い合わせ管理を行う方法

Excel で問い合わせ管理を行う方法は、手軽でコスト効率が高い点が魅力です。以下に、具体的な手順とポイントを解説します。

テンプレートの作成

まず、問い合わせ管理用のテンプレートを作成します。Excel のシートに、問い合わせID、顧客名、問い合わせ内容、担当者、ステータス、対応日時などの項目を設定します。これにより、必要な情報を一元管理できます。自社にあった項目を選定しましょう。

Excel の問い合わせ管理のテンプレート例

データ入力の標準化

データ入力の標準化は、正確で一貫性のある管理の基本です。入力ルールを設定し、全員が同じ形式でデータを入力するように徹底しましょう。例えば、日付の形式や顧客名の表記方法を統一することで、データの整合性を保つことができます。
また、対応状況(未対応、対応中、対応完了など)といった入力する値が決まっている項目には、ドロップダウンリストを活用して、入力ミスを防ぐことも効果的です。

マクロと関数の活用

Excel のマクロと関数を活用することで、問い合わせ管理の効率を大幅に向上させることができます。マクロを使えば、繰り返し行う作業を自動化でき、時間を節約できます。例えば、定期的なレポート作成やデータの整理を自動化することが可能です。

また、関数を使ってデータの集計や分析を行うことで、より深い洞察を得ることができます。SUMIFやVLOOKUPなどの関数を活用することで、特定の条件に基づいたデータの抽出や集計が簡単に行えます。

例えば、XLOOKUPを活用することで、特定の問い合わせ番号を入力するだけで、その問い合わせのステータスや担当者を即座に確認できます。これにより、問い合わせ管理がより効率的かつ迅速に行えるようになります。

定期的なバックアップ

データの保護は、問い合わせ管理において非常に重要です。定期的にバックアップを取ることで、データの紛失や破損に備えることができます。
バックアップは、外部のハードドライブやクラウドストレージに保存することをおすすめします。特にクラウドストレージを利用することで、どこからでもデータにアクセスできる利便性があり、災害時にもデータを安全に保管できます。

セキュリティ対策

Excel は簡単に共有できる反面、セキュリティ面での懸念もあります。パスワード保護やアクセス制限を設定することで、データの不正アクセスや誤削除を防ぐことができます。特に機密情報を扱う場合は、セキュリティ対策を徹底することが重要です。無関係な第三者がファイルを開くことがないよう Excel の「ファイル」タブから「情報」を選び、「ブックの保護」オプションでパスワードを設定しましょう。

これらの手順を踏むことで、Excelを使った問い合わせ管理がより効果的かつ効率的になります。
データの一貫性を保ち、セキュリティを強化し、業務の自動化を進めることで、問い合わせ管理の質を向上させることができます。

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Excel で問い合わせ管理を行うメリット

Excel を使った問い合わせ管理には、多くの企業や個人にとって魅力的なメリットがあります。以下に、特に重要な3つのメリットを詳しく説明します。

コストの削減

Excel を使う最大のメリットの一つは、コスト削減です。多くの企業では既に Microsoft Office が導入されており、新たなソフトウェアを購入する必要がありません。これにより、初期投資を大幅に抑えることができます。

また、専用の問い合わせ管理ソフトウェアには通常ライセンス費用がかかりますが、Excel はその一部として提供されているため、追加のライセンス費用も不要です。さらに、Excel は多くの従業員が既に使い慣れているため、新しいシステムの導入に伴うトレーニングコストも削減できます。

カスタマイズの柔軟性

Excel のもう一つの大きなメリットは、そのカスタマイズの柔軟性です。Excel は非常に柔軟なツールであり、マクロや関数を使って自社のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
例えば、特定の業務フローに最適化された問い合わせ管理システムを構築することができます。

また、Excel のセルやシートを自由にレイアウトできるため、視覚的に分かりやすい表を作成することができます。これにより、データの入力や管理が効率化され、業務の生産性が向上します。

使い慣れたツール

多くの従業員が既に Excel を使い慣れているため、新しい問い合わせ管理システムの導入に伴う学習コストを大幅に削減できます。Excel の基本操作を理解している従業員であれば、問い合わせ管理システムとしての Excel の使い方もすぐに習得できるでしょう。

また、Excel は広く普及しているため、トレーニング資料やオンラインリソースも豊富に存在します。従業員が必要な情報を迅速に取得し、効率的に業務を進めることができます。

これらのメリットにより、Excel を使った問い合わせ管理は、コスト効率が良く、柔軟で使いやすい方法となります。企業のニーズに合わせて最適な管理システムを構築し、業務の効率化と生産性向上を実現するための強力なツールとなるでしょう。

Excel で問い合わせ管理を行うデメリット

Excel を使った問い合わせ管理には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。以下に、特に重要な 3 つのデメリットを詳しく説明します。

データの一貫性の問題

Excel での問い合わせ管理では、データの一貫性を保つことが難しい場合があります。手動でデータを入力するため、入力件数が多いと入力ミスや重複が発生しやすくなります。また、複数のユーザーが同時にファイルを編集する場合、データの整合性が損なわれるリスクもあります。これにより、正確なデータ分析や報告が困難になることがあります。

スケーラビリティの限界

Excel は小規模なデータセットには適していますが、大量のデータを扱う場合には限界があります。データ量が増えると、ファイルの読み込みや保存に時間がかかり、パフォーマンスが低下することがあります。特に、数千件以上の問い合わせデータを扱う場合、ファイルの読み込みや保存に時間がかかり、効率が悪くなります。

また、複雑な計算や多くのシートを含むファイルでは、操作が遅くなることもあります。これにより、大規模な問い合わせ管理には不向きとなる場合があります。

セキュリティの懸念

Excel は簡単に共有できる反面、セキュリティ面での懸念もあります。ファイルが不正にアクセスされたり、誤って削除されたりするリスクがあります。パスワード保護やアクセス制限を設定することは可能ですが、専用の問い合わせ管理ソフトウェアと比べるとセキュリティ機能が限定的です。これにより、機密情報の漏洩リスクが高まる可能性があります。

また、Excel では誰がいつどのデータにアクセスしたかを記録する監査ログ機能が提供されていないため、不正アクセスやデータの改ざんが発生した際に原因を特定するのが難しくなります。

これらのデメリットを考慮すると、Excel を使った問い合わせ管理は小規模なデータセットや一時的な管理には適していますが、大規模なデータ管理や高いセキュリティが求められる場合には、専用の問い合わせ管理ソフトウェアの導入を検討することが望ましいでしょう。

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Excel 以外で問い合わせを管理する方法

Excel 以外にも、問い合わせを管理する方法はいくつかあります。以下に、特におすすめの 3 つの方法を紹介します。

SharePoint リスト

SharePoint リストは、Microsoft 365 の一部として提供される強力なツールです。問い合わせをリスト形式で管理することで、データの一元管理が可能になります。
SharePoint リストを使うことで、複数のユーザーがリアルタイムでデータを更新・共有でき、誰かが作業を終えるのを待つという時間のロスがなくなり、情報共有もスムーズに行えます。
アクセス権限の設定も柔軟に行えるため、“見せたい人だけに見せたい”、“更新できる人だけに更新させたい”というセキュアな課題を解決できます。

Microsoft Power Automate を使用して、リストに新しいアイテムが追加されたときやステータスが変更されたときに、担当者にメールを送信するフローを作成することも可能です。これにより、問い合わせが発生した際に担当者が即座に把握できるようになります。
さらに、Microsoft Power BI と連携することで、問い合わせデータの分析や視覚化も簡単に行え、対応漏れを防ぐことができます。

  SharePoint でリストを作成! 基礎知識と業務への活用方法 Microsoft SharePoint の主な機能の一つに“リスト”があります。SharePoint のリストであれば、チームで円滑な情報共有ができるようになります。本記事では、SharePoint のリストに関する基礎知識をはじめ、メリット・デメリット、リストの作成方法、業務への活用方法について解説します。 ez office

専用の問い合わせ管理システム

問い合わせ管理専用のシステムを導入することで、より高度な機能を利用できます。以下に、代表的なシステムをいくつか紹介します。

Zendesk

Zendeskは、使いやすいインターフェースと豊富な機能を備えた問い合わせ管理システムです。AIを活用して問い合わせの受信、割り当て、フォローアップを自動化することで、効率的な対応が可能です。メール、チャット、ソーシャルメディアなどと連携できるため、複数のチャネルからの問い合わせを一元管理できます。
詳細なレポート機能により、問い合わせの傾向や対応時間を分析し、業務改善に役立てることができます。特に、顧客サポートと社内サポートの両方に対応できる点が魅力です。

Freshdesk

Freshdeskは、シンプルで直感的な操作性が特徴の問い合わせ管理システムです。AIを活用した問い合わせの自動割り当てやエスカレーション機能などさまざまな機能を備え、迅速な対応が可能です。
Slackや Microsoft Teams などのツールと連携することで、チーム内のコミュニケーションを円滑にし、効率的な問い合わせ管理を実現します。コストパフォーマンスが高く、中小企業から大企業まで幅広く利用されています。

Jira Service Management

Jira Service Managementは、特にIT部門向けに設計された問い合わせ管理システムです。他のJira製品やConfluenceとシームレスに連携でき、AIを活用した複雑なワークフローの自動化やカスタマイズが可能です。
詳細なレポートとダッシュボード機能により、問い合わせの進捗状況をリアルタイムで把握し、迅速な対応が可能です。ITサービス管理に特化した機能を備えており、技術サポートや問題管理に強みがあります。

これらのシステムを導入することで、問い合わせ管理が効率化され、迅速かつ正確な対応が可能になります。企業の規模やニーズに応じて最適なシステムを選ぶことが重要です。上記システムはいずれも無料トライアルを提供しているため、導入前に手軽に試すことができます。

Google スプレッドシートと Google フォームの組み合わせ

Google スプレッドシートと Google フォームを組み合わせることで、簡単に問い合わせ管理システムを構築できます。Google フォームは直感的なインターフェースを持っており、ドラッグ&ドロップで簡単にフィールドを追加できます。また、フォームのデザインやテーマもカスタマイズ可能です。Google フォームを使って問い合わせを収集し、そのデータを自動的に Google スプレッドシートに保存することで、リアルタイムでデータを管理できます。

さらに、Google スプレッドシートの共有機能を使えば、複数の担当者が同時にデータを編集・更新することが可能です。Google Apps Script を使ってカスタム機能を追加することもでき、柔軟な運用が可能であり、非常に役立ちます。

まとめ

この記事では、Excelを使った問い合わせ管理について以下の内容を解説しました。

  • Excel で問い合わせ管理を行う方法
  • Excel で問い合わせ管理を行うメリット・デメリット
  • Excel 以外で問い合わせを管理する方法

Excel の主なメリットは、コスト削減、カスタマイズの柔軟性、そして多くの従業員が使い慣れている点です。しかし、データの一貫性やセキュリティの問題、スケーラビリティの限界といったデメリットも存在します。手動入力によるミスやデータの重複、複数ユーザーでの同時編集の難しさがあります。これらの問題を解決するために、データ入力の標準化や定期的なバックアップ、マクロと関数の活用が必要不可欠です。

また、高いセキュリティが求められる場合には、Excel 以外で管理することも検討しましょう。
Microsoft 365 をご契約の企業様であれば、SharePoint リストを活用した問い合わせ管理の導入には、追加のサーバーやコストは発生しません。専用の問い合わせシステムを導入する場合と比較して、圧倒的にコストを削減できます。ただし、SharePoint リストを活用した問い合わせ管理の導入には、自社社員の知識と技術がある程度必要です。自社で人材を確保できない場合は、外部サービスの活用も一つの方法です。

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ステータスや担当者別に絞り込んで、問い合わせを一覧表示できるため、目的の問い合わせが見つけやすくなっています。チャット形式のコメント機能で悩みに耳を傾けることで、確実に解決へと導きます。また、リアルタイムでのデータ共有やアクセス権限の設定が容易で、セキュリティも確保されています。運用中のサポートも提供しているため、安心してお使いいただけます。貴社のテナント、貴社のサイトであれば、複数のサイトに設置することが可能です。社内の問い合わせ対応の効率化を図りたいという方は、ぜひご検討ください。

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