SharePoint でリストを作成! 基礎知識と業務への活用方法
目次[非表示]
- 1.SharePoint のリストとは
- 2.類似する機能との違い
- 2.1.Excel との違い
- 2.2.ライブラリとの違い
- 2.3.Microsoft Lists との違い
- 3.SharePoint のリストでできること
- 3.1.登録データの追加・更新・削除
- 3.2.削除データの復元
- 3.3.バージョン管理
- 3.4.変更通知
- 3.5.Excel へのエクスポート
- 3.6.Teams への追加
- 4.SharePoint でリストを作成するメリット・デメリット
- 5.SharePoint でのリスト作成方法
- 5.1.①リストを作成する
- 5.2.②列を追加する
- 5.3.③アイテムの情報を入力する
- 6.SharePoint のリストを活用して業務を効率化する方法
- 6.1.①日報や予定表を共有・共同編集する
- 6.2.②タスク管理を行う
- 6.3.③承認つきのワークフローを構築する
- 7.まとめ
- 8.Microsoft 365 無料相談実施中
Microsoft SharePoint(以下、SharePoint)(※1)の主な機能の一つに“リスト”があります。リストとは、さまざまな情報を一覧化して表示したテーブル(表)のことで、情報の全体像を俯瞰的に把握するのに役立ちます。
リストは、Microsoft Excel(以下、Excel)(※2)でも作成できますが、複数人での同時編集やリアルタイムな情報共有は難しくなります。SharePoint のリストであれば、チームで円滑な情報共有ができるようになります。
本記事では、SharePoint のリストに関する基礎知識をはじめ、メリット・デメリット、リストの作成方法、業務への活用方法について解説します。
※1…Microsoft SharePoint は、マイクロソフト社が開発・提供する製品です。
※2…Microsoft Excelは、マイクロソフトグループの企業の商標です。
SharePoint のリストとは
SharePoint のリストとは、管理したい情報を一覧化して複数人での共有や共同編集を行える機能のことです。
以下の 4 つの要素で構成されています。
行
行は、リストを構成する具体的な情報を記載する要素です。リストの行に登録した情報やデータは“アイテム”と呼ばれます。Excel で個人情報を管理するリストを例にすると、“田中太郎”“35歳”“男性”などといった具体的な個人情報を記載する場所が行に当たります。
列
列は、リストを構成する共通の型を指します。“カラム”や“項目”などと呼ばれることもあります。Excel で個人情報を管理するリストを例にした場合、“名前”“年齢”“性別”などといった一覧化された表を構成する項目を指します。
ビュー
ビューは、リストで表示する項目を選択して指定する機能です。リストに記載した情報を分かりやすく閲覧するために、複数の選択肢から表示方法を変えられます。
先述した個人情報のリストを例にすると、以下のようにビューを指定できます。
▼個人情報のリストに関するビューの指定例
- 名前と住所と電話番号だけを表示する
- 20 歳以上の人だけを表示する
- スマートフォンでの閲覧用に表示するアイテム数を少なくする
Excel でもフィルターや関数を使用すればリストの表示方法を柔軟に変えられますが、SharePoint であれば複数のビューを設定して 1 クリックで表示できます。
フォーム
フォームは、リストの行にあるアイテムの詳細を表示して、新規の投稿や編集を行う機能のことです。リストは“一覧表示”、フォームは“各アイテムの詳細表示”といったイメージです。
SharePoint のリストに備わったフォームには、3つの種類があります。
▼フォームの種類
種類 |
概要 |
新規投稿フォーム |
新しい行を追加する |
編集フォーム |
既存の行を編集する |
詳細フォーム |
既存の行を表示する |
なお、SharePoint のアプリケーションに関する基礎知識は、こちらの記事で解説しています。
類似する機能との違い
SharePoint のリストとよく似たツール・機能に、Excel やライブラリ、Microsoft Lists(※)が挙げられます。ここでは、それぞれの違いについて解説します。
※Microsoft Lists は、マイクロソフト社が開発・提供する製品です。
Excel との違い
Excel と SharePoint のリストとの主な違いは、複数人での同時編集がリアルタイムにできるかどうかです。
Excel は、ローカル環境で作成したリストを個人で使用したり、ほかのチームへ共有したりすることが中心となります。ブックの共有(レガシ)を使えば、複数人で同時にリストを編集することはできますが、上書き保存するタイミングまで共有相手の編集状況が見えないため、リアルタイムな情報共有と共同作業が必要な場合には適していません。
一方、SharePoint のリストでは、オンライン上で情報の閲覧・編集を行うことが可能です。編集したデータはリアルタイムで反映されるほか、バージョン管理機能によって“誰がいつ編集したか”の記録が残るため、複数人での管理に向いています。
ライブラリとの違い
SharePoint には、リストのほかに“ライブラリ”という機能があります。ライブラリとリストの違いは、管理する対象です。
ライブラリはファイルを管理するための機能となるのに対して、リストはデータそのものを管理するための機能となります。
例えば、個人情報を管理するリストの場合、個人情報のデータを一覧化して管理する場合にはリスト、個人情報を記入した Excel ファイルを管理する場合はライブラリといったように使い分けられます。
Microsoft Lists との違い
Microsoft Lists は、SharePoint に含まれるリストの機能だけを独立させたアプリケーションのことです。SharePoint のリストと UI は異なりますが、作成できるリストの形式は同じです。
Microsoft Lists を利用することで、SharePoint のチームサイトとは切り離した状態でリストを管理・運用できるようになります。
なお、Microsoft Lists については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
SharePoint のリストでできること
SharePoint でリストを作成すると、チームでの共有・編集ができるほか、登録したデータの管理、ほかのアプリケーションとの連携などを行えます。
登録データの追加・更新・削除
作成したリストは、チーム内でデータの追加・更新・削除を行えます。
ファイル共有サーバのなかには、複数人が同時に編集しようとすると排他制御(※)がかかるものがあります。SharePoint のリストの場合、排他制御はリスト単位ではなく行単位で行われるため、同じリストでも違う行であれば複数人で同時に編集することが可能です。
※同じリソースに対して複数人が同時にアクセスするのを防いで、データの整合性を維持する仕組み
削除データの復元
リストから削除したデータは、ゴミ箱から復元できます。
SharePoint のリストには、“通常のゴミ箱”と“サイトコレクションのゴミ箱”という 2 段階のゴミ箱があります。リストのデータを削除した場合には、以下の流れでゴミ箱に移動します。
▼リストから削除したデータが移動する流れ
- リストから 1 段階目のゴミ箱に移動する
- 1 段階目のゴミ箱にあるデータを削除した場合に、2 段階目となるサイトコレクションのゴミ箱に移動する
リストのデータを 2 度削除した場合でも、完全にデータが消失されるわけではなくゴミ箱に保存されているため、誤って削除してしまった場合にも安心です。
バージョン管理
SharePoint のリストに備わったバージョン管理の機能を活用すると、「誰がいつ、どのような更新をしたのか」といった履歴が記録されます。
また、誤った内容を更新してしまった場合には、前のバージョンを復元することも可能です。バージョン管理機能を活用する際は、リストごとに有効化の設定を行う必要があります。
変更通知
リストの行が編集された際に自動で通知メールを送信できます。
通知メールは、指定したメールアドレスに送信される仕組みとなっており、グループアドレスを指定すればチームメンバーへの一斉送信も可能です。
また、細かな条件で通知設定を行えるため、リストの編集履歴を見逃してしまう問題を防止できます。
Excel へのエクスポート
SharePoint のリストから Excel へエクスポートすることが可能です。
関数を用いた計算やグラフの作成を行ったり、マクロを使った処理をしたりする場合にエクスポートの機能が役立ちます。また、Excel ファイルにエクスポートすれば SharePoint にアクセスできない外部の人とデータを共有できます。
Teams への追加
チームでのコミュニケーションに Microsoft Teams(以下、Teams) を利用している場合は、SharePoint のリストを Teams のタブに追加できます。
その都度画面を切り替えることなく、スムーズに必要な情報やアプリケーションにアクセスできるようになります。
※Microsoft Teams は、マイクロソフト社が開発・提供する製品です。
SharePoint でリストを作成するメリット・デメリット
SharePoint のリストは、さまざまな社内業務や情報管理に役立てられますが、用途によっては適さない場合があります。
メリット
SharePoint でリストを作成するメリットは、以下のとおりです。
▼メリット
- Teams と連携できる
- 豊富な書式を使用できる
Teams とは、Microsoft 365(※)で使用可能なビデオ会議・通話アプリケーションのことです。Teams にリストを連携させることで、通話をしながらリストの共有と共同編集を行えます。
また、用途や情報に応じて豊富な書式を活用できるため、複数人で作業する際にもリストが閲覧しにくくなることを防止できます。
※Microsoft 365 は、マイクロソフトグループの企業の商標です。
デメリット
SharePoint でリストを作成するデメリットには、以下が挙げられます。
▼デメリット
- 複雑な計算には向いていない
- 細かな印刷設定が行えない
SharePoint のリストには、Excel のように複雑な計算を行うための機能は備わっていません。印刷をする際にはブラウザの標準機能を用いるため、詳細な設定は難しくなります。リストの用途に合わせて、Excel と使い分けることが重要です。
SharePoint でのリスト作成方法
ここからは、SharePoint でリストを作成する方法を解説します。
①リストを作成する
SharePoint のチームサイトを開いて新規のリストを作成します。空白のリストを作成するほかにも、テンプレートを活用することも可能です。
▼手順
- SharePoint で作成したサイトを表示する
- 歯車マークの[設定]から[サイトコンテンツ]をクリックする
- [新規]>[リスト]から空白のリストをクリックする
- リストの名前と説明を入力する
- [作成]をクリックする
②列を追加する
空白のリストを作成したら、リストの型となる列を追加します。
▼手順
- 列の追加をクリックする
- 列のデータ型(テキスト・日付と時刻など)を選択する
- 列に記載する名前と説明を入力する
- [保存]をクリックする
③アイテムの情報を入力する
2 で作成したリストの各列にアイテムの情報を入力します。
▼手順
- リストの[新規]ボタンをクリックする
- 各列の項目に沿ってデータを入力する
- [保存]をクリックする
なお、SharePoint リストは REST API を使用して操作することも可能です。こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
SharePoint のリストを活用して業務を効率化する方法
SharePoint のリストを活用すると、チームでの情報共有やワークフローをオンラインで行えるようになり、業務の効率化を図れます。
①日報や予定表を共有・共同編集する
日報や予定表を複数人で作成・管理する場合に、SharePoint のリストを活用できます。
日報や予定表は、随時最新の情報に更新する必要があります。SharePoint のリストであれば、複数のユーザーでリアルタイムな情報共有と共同編集を行えるため、タイムラグによるトラブルを防げます。
また、各メンバーの予定や業務の進行状況をチーム全体で把握しやすくなり、個別に担当者に確認する労力を削減できます。
②タスク管理を行う
タイムラインに沿ってリストのバーを表示すると、直近のタスクを可視化できるようになり、納期や進捗状況を管理しやすくなります。
アラート機能を用いれば、タスクの消化状況がリアルタイムにメンバーへ通知されるため、タスクの漏れや遅延も防ぎやすくなります。
③承認つきのワークフローを構築する
SharePoint でリストを作成する際に、承認つきのワークフローを構築することが可能です。
作成したリストに対して承認者と承認ルートを設定することで、経費や稟議の申請、備品予約などのワークフローを電子化・自動化できます。これにより、申請・承認を行う業務の効率化と、決裁までのスピード向上につなげられます。
SharePoint を活用したワークフローの構築については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、SharePoint のリストについて以下の内容を解説しました。
- SharePoint で作成できるリストと類似する機能との違い
- SharePoint のリストでできること
- SharePoint でリストを作成するメリット・デメリット
- SharePoint でのリスト作成方法
- SharePoint のリストを活用して業務を効率化する方法
SharePoint のリストを作成すると、日報や予定表、チームメンバーのタスクなどのさまざまな情報を一覧化して管理できるようになります。
Excel では対応が難しいリアルタイムな情報共有と複数人での共同編集も行えるため、チームでの作業に適しています。管理する情報や用途に応じて、自社が使いやすいツール・機能を活用することがポイントです。
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