OneDrive と SharePoint の違いとは?利用目的と効果的な使い分け


目次[非表示]

  1. 1.OneDrive と SharePoint の利用目的の違い
  2. 2.OneDrive について
    1. 2.1.ファイル同期|どこからでもアクセス可能
    2. 2.2.ファイル編集|スマホからでも編集可能
    3. 2.3.ファイルバックアップ
    4. 2.4.ファイル消失|OneDrive の落とし穴
      1. 2.4.1.アカウント削除後 30 日間はアクセス可能
  3. 3.SharePoint について
    1. 3.1.SharePoint Online の活用方法
      1. 3.1.1.いつでもどこでもドキュメントを共同編集
      2. 3.1.2.プラットフォームでのスムーズな情報共有
      3. 3.1.3.社内ポータルサイトの作成
      4. 3.1.4.ドキュメント、ライブラリ、サイト単位の権限設定
  4. 4.OneDrive と SharePoint の共通点
    1. 4.1.クラウド上でデータ保管ができる
    2. 4.2.ファイルの共有・同時編集ができる
    3. 4.3.バージョン履歴が残る
    4. 4.4.あらゆるデバイスからアクセスできる
  5. 5.OneDriveと SharePoint の効果的な使い分け
    1. 5.1.OneDrive が適している状況
    2. 5.2.SharePoint が適している状況
  6. 6.まとめ


Microsoft は、OneDrive と SharePoint の 2 種類のクラウドストレージを提供しています。この 2 つのストレージには似ている点があるため、使い分けに迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、OneDrive と SharePoint の違いや共通点、それぞれの利用目的と活用方法などを解説していきます。
OneDrive と SharePoint を効果的に使い分けられれば、社内のデータ管理を向上させ、業務効率の改善を図ることができます。

OneDrive と SharePoint の利用目的の違い

OneDrive と SharePoint には、クラウドストレージであることを含め、多くの共通点があります。しかし、最も根本的な違いは、OneDrive は個人用のストレージであるのに対し、SharePoint はチーム用のストレージを含んだサービスである点です。後述しますが、SharePoint は単なるクラウドストレージではなく、情報共有のためのプラットフォーム作成ツールです。
例えば、「個人のファイルは OneDrive で保管」、「チームの複数人で閲覧・編集するファイルは SharePoint で保管」というように、誰がファイルを使用するかで使い分けるとよいでしょう。また、OneDrive と SharePoint は、ストレージの容量も異なります。OneDrive は 1 ユーザーにつき 1 TB であるのに対し、SharePoint は 1 企業につき 1 TB + ユーザー数 × 10 GB です。したがって、OneDrive と SharePoint のそれぞれのメリットを生かした使い分けが必要です。

OneDrive について

OneDrive は、以下のような機能を備えており、主に個人での使用に適しています。

ファイル同期
ファイル編集
ファイルバックアップ

OneDrive の機能についてもう少し詳しく解説します。

ファイル同期|どこからでもアクセス可能

デバイス内のファイルやフォルダを OneDrive 内のファイルやフォルダに同期する機能です。デバイス上でファイルを編集すると、OneDrive 内のファイルも更新されます。このファイル同期機能により、外出先や自宅といった社外から、スマホやタブレットなどの端末で、同一の最新ファイルにアクセスできます。

ファイル編集|スマホからでも編集可能

ファイル編集も、どこからでも、どの端末でも行えます。タクシーや電車での移動中や、休日などに急な編集が必要となった際にも、非常に便利です。また、OneDrive 内のドキュメントは、共同で編集できます。OneDrive 内の Word や Excel などのファイルを開いて「共有」タブをクリックし、共有したい相手のメールアドレスを入力すると、共有メールが送信され、リアルタイムで共同編集が可能になります。

ファイルバックアップ

OneDrive のバックアップは、同期処理に近い機能です。バックアップ機能を使うと、OneDrive 内に「デスクトップ」、「ドキュメント」、「ピクチャ」というフォルダが自動作成されます。PC 内のデスクトップ上のデータは「デスクトップ」へ、ドキュメントファイルは「ドキュメント」へ、画像データは「ピクチャ」へと、それぞれ自動的にアップロードされます。ただし、最新のデータをバックアップする機能なので、過去のデータを復旧させたいという使い方はできません。また、OneDrive 内のファイルやディレクトリを変更すると、PC にも反映されます。

ファイル消失|OneDrive の落とし穴

OneDrive では、アカウントを削除すると、ファイルが自動的に消去されてしまいます。アカウントを削除する際は、事前に当該ユーザーの OneDrive へのアクセス権を設定して、ダウンロードしておきましょう。操作を誤るとデータを失ってしまう可能性があるため、アカウントを削除する場合には注意が必要です。

アカウント削除後 30 日間はアクセス可能

アカウントを削除しても、30 日以内であればデータにアクセスでき、復旧が可能です。上述したように、アカウントを削除する前に、他のユーザーに削除アカウントへのアクセス権限を付与するようにしましょう。アクセス権限のあるユーザーは、アカウント削除後も 30 日間はファイルをダウンロードできます。

SharePoint について

SharePoint は、組織内の情報共有の効率化を図るサービスです。SharePoint には、社内のサーバー内で構築するオンプレミス型と、Microsoft が運営するクラウドから提供されるサービスを利用する SharePoint Online があります。この記事では、クラウドストレージをテーマにしているため、SharePoint Online について解説します。
SharePoint は、社内ポータルサイトを構築したり、ドキュメントや画像を保管したりする機能を備えています。

SharePoint Online の活用方法

ここでは SharePoint Online についてもう少し詳しくみていきます。

いつでもどこでもドキュメントを共同編集

すでに解説したように SharePoint Online を使うことで、複数の社員で同一ドキュメントの共同編集が可能です。

プラットフォームでのスムーズな情報共有

SharePoint は、単なるクラウドストレージではありません。後述するポータルサイトのように、社内で情報共有するためのプラットフォームとして利用できます。例えば、ファイル共有以外にも、以下のようなさまざまな機能があります。

リスト
ニュース
イベント
ワークフロー
アンケート

これらの機能を活用することで、業務効率が大いに向上します。

社内ポータルサイトの作成

SharePoint Online には、社内ポータルサイトを作成する機能があります。ポータルサイトを活用することで、お知らせ、リンク集、ナレッジなどを通じて、社内全体に必要な情報をスムーズに共有できます。プロジェクトごとや部署ごとなど、公開範囲も設定可能です。

ドキュメント、ライブラリ、サイト単位の権限設定

管理者は、SharePoint Online 上で固有の権限を設定できます。そのため、ユーザーやグループに対して、SharePoint のサイト単位、ライブラリ単位、リスト単位などで、細かく権限を設定できます。例えば、あるユーザーに対して、サイトは閲覧のみの権限を、その他のライブラリは閲覧と投稿の権限を付与するといった使い分けが可能です。管理者にとって、固有の権限設定は、柔軟な対応とセキュリティの確保を両立できる重要な機能といえるでしょう。

OneDrive と SharePoint の共通点

OneDrive も SharePoint も Microsoft のサービスであるため、多くの共通点があります。
ここでは、以下の 4 つの共通点を紹介します。

 クラウド上でデータを保管できる
 ファイルの共有・同時編集ができる
 バージョン履歴が残る
 あらゆるデバイスからアクセスできる

クラウド上でデータ保管ができる

OneDrive も SharePoint も、クラウドストレージサービスであるため、自社サーバーを必要としません。自社サーバーを構築したり、サーバーのメンテナンスをしたりといった手間と費用がかからないことから、コストの削減につながります。SharePoint には、自社サーバー内で構築できるオンプレミス型のサービスもありますが、導入時や、保守期間が切れた時、バージョンアップの際にはコストが発生するため、クラウド型へ移行しておく方が便利でしょう。

ファイルの共有・同時編集ができる

OneDrive も SharePoint も、ファイルの共有が可能です。フォルダ単位で共有したり、チャットやメールにリンクを添付したり、外部の第三者ユーザーとフォルダやファイルを共有したりすることもできます。Microsoft 製品である Word、Excel、PowerPoint のファイルは、同時編集も可能です。他のユーザーがファイルを閉じるのを待ったり、「共有」の設定を都度行ったりする必要がないため、共同で資料作成するときに手間が省けます。

バージョン履歴が残る

OneDrive も SharePoint も、バージョン履歴が残るため、誤った操作で必要なファイルを削除したり編集したりしてしまっても、以前のバージョンに戻すことができます。バージョン履歴は、すべてのファイルに適用されます。復元するファイルを右クリックし、「バージョン履歴」から復元させたい時点を選択して「復元」をクリックします。確認のメッセージが表示されるので、「OK」をクリックして復元しましょう。

あらゆるデバイスからアクセスできる

OneDrive も SharePoint も、タブレットやスマホからアクセスできます。アプリをインストールしていないモバイル端末でも、ユーザーアカウントがあれば、ブラウザからストレージ内のファイルを確認できます。スマホからも編集できるため、自宅や出張先からもファイルにアクセスして業務を行えます。帰宅後に自宅 PC から気になる業務を引き続き行うことも可能です。

OneDriveと SharePoint の効果的な使い分け

OneDrive と SharePoint の効果的な使い分けは、以下の通りです。

OneDrive が適している状況

 従業員が個人で使用するファイルは、すべてクラウド上に保管したい
インターネットに接続できれば、どこからでもファイルにアクセスできるため、オフィスからだけでなく、外出先やテレワーク中でも、ファイルの閲覧・編集・更新が可能です。

 パソコンに保管するファイルは、最低限にしたい
情報の漏えい、紛失、盗難など、リスクを最低限に防ぐことが可能です。

SharePoint が適している状況

 チームで使用するファイルは、すべてクラウド上に保管したい
どこでも業務ができるように、社内の部署やチームごとの連携をスムーズにすることが可能です。

 全従業員に関係するお知らせ、規定集、申請書といったファイルをポータルサイトで共有したい
情報の周知と探しやすさを両立するポータルサイトを構築し、共有の効率化が可能です。

OneDrive にもチームで同一ファイルを編集する機能はありますが、権限設定については SharePoint の方が操作性が高いため、同一ファイルを扱う際には SharePoint を使用するとよいでしょう。例えば、あるプロジェクトでメンバーが案を出し合って最善の案を決める際、個々のメンバーが考えた案は OneDrive で作成・編集・保管を行い、採用された案は SharePoint に移して共同で編集できるようにする、といった使い分けが効果的です。

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まとめ

今回は、OneDrive と SharePoint の違いや共通点、それぞれの利用目的と活用方法などを解説しました。最も根本的な違いは、OneDrive は従業員が個人で使用することを想定しているのに対し、SharePoint は社内全体で共有すべき情報を扱う際に使用することを想定している点です。従業員個人が自分だけのストレージを求めている場合には OneDrive で対応し、社内全体の情報共有を円滑にしたい場合には SharePoint を活用しましょう。どちらもクラウドストレージであるため、自社サーバーが不要であったり、モバイル端末からもアクセスできたりと、共通点も多くあります。うまく使い分けられれば、管理者にとってもエンドユーザーである従業員にとっても、業務効率の改善につながります。

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