SharePoint で効率的に文書管理をする方法


目次[非表示]

  1. 1.文書管理は利便性と検索性が重要
    1. 1.1.検索性の重要性
    2. 1.2.利便性の重要性
  2. 2.SharePoint で文書管理を行うメリット
    1. 2.1.たくさんの文書を保存できる
    2. 2.2.バージョン管理機能が付いている
    3. 2.3.アクセス権が設定できる
    4. 2.4.ファイルの整理や並び替えがかんたん
  3. 3.SharePoint で文書管理を行う時の課題
    1. 3.1.操作方法がわからない場合がある
    2. 3.2.どんな機能があるかわからない場合がある
  4. 4.文書の管理負荷を軽減する方法
    1. 4.1.ルールを作ること
    2. 4.2.列(プロパティ)を適切に設定すること
    3. 4.3.連携サービスを活用すること
  5. 5.まとめ


文書管理は、DX(※1)において非常に重要です。なぜならば、ノウハウやナレッジは、文書によって蓄積されるからです。しかし、会社などの集団内で適切に文書を管理するのは、意外と難しいものです。人によって文書管理の粒度が異なるからです。文書を一元的に管理するためには、ルールを設けて、従業員に徹底してもらう必要があります。ところが、文書での情報管理自体が苦手な従業員もいるため、なかなか容易ではありません。そこでおすすめなのが、SharePoint で文書管理をする方法です。SharePoint なら文書管理の負荷を軽減できます。本記事では、SharePoint を使って、文書管理の負荷を軽減する方法について解説します。

※1:DXとは、デジタルトランスフォーメーションといい、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と経済産業省で定義されています。

※引用元: 経済産業省

なお、SharePoint の基礎知識については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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文書管理は利便性と検索性が重要

検索性の重要性

コクヨ株式会社の調査によると、書類を探す行為は、社員1人あたり1年で約150時間も費やしているといわれています。これをサラリーマンの平均時給2,500円で置き換えると、1人あたり37.5万円にもなります。つまり、従業員100人の会社なら、年間で3,750万円もの人件費が「書類を探す」という何の生産性もない行為に費やされているのです。文書管理システムは、システムの仕様や運用ルールにより、書類を今よりも探しやすくする必要があります。システムを導入した結果、余計に探しにくくなってしまうと、逆に生産性が落ちてしまいます。

利便性の重要性

一方で、文書管理システムには、優れたUI/UXも必要です。UIとは、ユーザーインターフェースの略称で、ユーザーつまりシステムを使う側(従業員など)とシステムの間との接点のことです。例えば、アプリやWebサービスの見た目のわかりやすさや使いやすさ、入力のしやすさなどが該当します。UXとは、ユーザーエクスペリエンスの略称で「ユーザーがシステムを利用したときの満足度」という意味です。たとえデザインが優れていて、使いやすく作られたシステムでも、使う側が満足してなかったら意味ないわけですね。仮に、使う側がシステムに不満を持っていると、導入してもなかなか現場に浸透しません。そのうち元の煩雑な管理方法に戻ってしまい、システムは誰も使わないといった状況になりがちです。システムを定着させるためにも、優れたUI/UXが必要なのです。

SharePoint で文書管理を行うメリット

SharePoint で文書を管理するメリットは多数ありますが、主に以下の4つのメリットが挙げられます。

たくさんの文書を保存できる

SharePoint のメリットの1つは、ストレージの容量が多い点です。基本容量が1TBあり、それに加えてユーザー1人につき10GB割り当てられます。これでも足りなければ有料で容量を購入できますが、よほど大量の文書を保存しない限りは、基本料金内で足りるでしょう。例えば、1MBの Word ファイルならば100万ファイル以上保存できます。もちろん画像ファイルは容量が大きいのでその分ストレージを圧迫しますが、1TBあれば20MBのパワーポイント資料でも5万ファイル保存可能です。他にユーザーごとの容量も1人10GBずつあるのですから、かなり余裕があると言えます。

バージョン管理機能が付いている

文書管理システムにおいて重要なのは、バージョン管理機能です。排他的なバージョン管理がしっかりできてないと文書の内容が消失したり、間違った物がリリースされたりといった弊害がでてきます。例えば、Aという文書をBさんが作ってサーバーにアップロードします。次にサーバーに上がっているAをCさんが編集し、サーバーに上書きします。この時点でAは、バージョン2になりますね。そこでさらにBさんが編集しようとしますが、Bさんは自分のローカル環境にあるAバージョン1を編集し、バージョン1.2としてサーバーに再度サーバーにアップロードします。すると、Cさんが作ったAのバージョン2が失われてしまいます。
ここで問題なのは、Cさんは自分が作ったAのバージョン2が失われていることに気づいておらず、Bさんも自分が消してしまったことに気づいてない点です。誰も間違いに気づいてないため、発見が遅れると考えられます。
このようなバージョンの消失を防止するために、バージョン管理機能が必要なのです。SharePoint は、標準でバージョン管理機能が付いており、上書きする以前のバージョンを簡単に復元できます。この例では、Bさんが最初に作成したバージョン1、Cさんが編集し上書きしたバージョン2、Bさんが再度作成したバージョン1.2が全て保存されます。いつ誰が作ったかも記録され、好きなタイミングで復元できるため、混乱がありません。

アクセス権が設定できる

SharePoint のもう1つの利点は、アクセス権が細かく設定できる点です。チームサイトメンバー、チームサイト閲覧者、チームサイト所有者を一括で設定できたり、フルコントロール、編集、投稿、閲覧、閲覧(ダウンロード不可)など、非常に細かい権限の管理ができます。例えば、社外のパートナーやクライアントがチームメンバーにいる場合、社内メンバーに編集と投稿を許可して、社外パートナーやクライアントは、閲覧のみにするなどのレベル設定ができます。

なお、SharePoint のアクセス権限については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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ファイルの整理や並び替えがかんたん

SharePoint には、フィルターという機能があり、更新日時、ファイルの種類、作成者などの属性を使って表示するファイルを限定できます。これは、各利用者が自由に設定や変更ができるため、書類を探す時間の短縮が期待できます。

なお、SharePoint をファイルサーバーとして活用するメリットについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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SharePoint で文書管理を行う時の課題

操作方法がわからない場合がある

SharePoint は、非常に多彩な機能を持っているので、導入したてのうちは操作方法がわからず困る場合があります。操作がわからない従業員が大勢いると、誰も SharePoint を使わなくなり、結局、旧来型のファイル共有サーバーに戻ってしまうことになりかねません。これを防止するには、段階的に移行していくことが大事です。つまり、全社内の文書を一気に SharePoint に移行させるのではなく、10人程度の小規模のチームでまず運用の実績を作るのです。そして徐々に他のチームに拡大していきます。このとき、SharePoint を使うチームは、旧来型のファイル共有サーバーからは完全に離脱させるのが大事です。どちらも使えるということになると、どうしても使い慣れた旧来型のほうを使ってしまうからです。段階的とはいえ、ファイルサーバから完全に切り替えをしましょう。

どんな機能があるかわからない場合がある

操作方法がわからない場合の他に、機能が多彩すぎて、どんな機能があるのか把握できないという問題がしばしば起こります。これには、概要や利用シーンごとの使い方を説明したドキュメントやマニュアルを用意したり、説明会の開催によって対策できます。導入支援を行っている企業を活用することを検討しましょう。

文書の管理負荷を軽減する方法

ルールを作ること

文書には、「発生」「伝達」「保管」「保存」「廃棄」という5つのライフサイクルがあります。保管と保存の違いは、使う予定があるかどうかです。保管は、いつでも使えるような場所に格納しておくことを言い、保存は、使わなくなった文書をまとめてしまっておくことを言います。この5つのライフサイクルを意識した運用ルールを策定しましょう。なぜなら、ルールがないとドキュメントのタイトルやプロパティもバラバラになってしまうため、検索性が著しく落ちるからです。この際には、実務に即した、守りやすいルールを策定しなければなりません。あまり実効性の無いと思われる理不尽なルールや、煩雑すぎるルールは、現場の従業員の抵抗を招きます。

列(プロパティ)を適切に設定すること

SharePoint には、「列」という概念があります。列は、アップロードしたファイルに付加する属性で、プロパティとも呼ばれます。これをうまく設定することにより、検索性を著しく向上させられます。煩雑にならない程度にできるだけルールに組み込んで、設定するようにしましょう。列の例は、「カテゴリ」「タイトル」「ファイルの概要種類」「作成者」「利用シーン」などがあります。これらをしっかり定義して設定すれば、特定の作成者のファイルだけを一覧表示させたり、特定のファイルだけを検索できます。

なお、SharePoint の検索機能については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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連携サービスを活用すること

SharePoint は、外部サービスとの連携機能も充実しています。特に OneDrive との連携は便利です。OneDrive は、Microsoft のクラウドストレージサービスで、SharePoint がチームなどの組織用なのに対し、OneDrive は個人用です。この2つを連携すれば、従業員個人のローカル環境の OneDrive にファイルを入れるだけで、自動的に SharePoint と同期されるようになります。このことによって、ローカル環境で作って満足してしまい、アップロードを忘れるといったことが無くなります。

まとめ

本記事では、Microsoft SharePoint Online を使って文書管理をする方法について解説しました。SharePoint は、Microsoft のサービスであり、Word や Excel、OneDrive などと非常に相性が良いです。Microsoft の Office アプリは、日本企業では主流ですから、SharePoint で文書管理をすれば非常に効率が良いのです。ぜひ導入をおすすめいたします。

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