Power Apps でできることは? 4 つの特徴と活用する際の注意点

Power Apps でできることは? 4 つの特徴と活用する際の注意点


目次[非表示]

  1. 1.アプリケーションの作成を支援する Power Apps とは
  2. 2.Power Apps でできることは? 4 つの特徴
    1. 2.1.①ローコードでアプリケーションを作成できる
    2. 2.2.②Web ブラウザ上で操作できる
    3. 2.3.③さまざまなサービス・データソースと連携できる
    4. 2.4.④AI による自然言語処理を活用できる
  3. 3.Power Apps で作成できるアプリケーションの例
  4. 4.Power Apps を利用する際の注意点
  5. 5.まとめ


Microsoft Power Apps(以下、Power Apps)は、マイクロソフト社が開発・提供するアプリケーション作成ツールです。

多様な働き方の推進や業務の効率化などを図るために、ワークフローの電子化、紙書類のペーパーレス化が進められているなか、「Power Apps を使って自社の業務に役立つアプリケーションを開発したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

Power Apps を活用すれば、業務の内容やフローなどに応じたアプリケーションを専門知識がなくても作成できます。

この記事では、Power Apps でできることと活用する際の注意点について解説します。



アプリケーションの作成を支援する Power Apps とは

Power Apps とは、業務に活用するアプリケーションをローコードで作成できるツールのことです。マイクロソフト社が開発・提供するアプリケーション開発プラットフォームの“Power Platform”に含まれるサービスの一つに当たります。

Power Platform は以下の 5 つのサービスで構成されており、Power Apps は主にアプリケーションの UI作成を担います。


▼Power Platform の構成サービス

サービス
概要
Power Apps
ローコードで業務アプリケーションを作成できる
Power BI
ビジネス活動で収集・蓄積したデータを統合して、可視化・分析できる
Power Automate
繰り返し発生する定型的な作業を自動化するワークフローを作成できる
Power Pages
ローコード・ノーコードで Web サイトを作成できる
Power Virtual Agents
ノーコードで高機能なチャットボットを作成できる


Power Apps は、単体でライセンスを購入して使用する方法のほか、Microsoft 365 または Dynamics 365 のライセンスがあればプラン内で利用することが可能です。


Power Apps の料金や使用できるプランについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  【簡単解説】Microsoft Power Apps のライセンスのプランとメリットについて Power Apps を導入すれば大幅にツール開発の手間が省けます。しかし、どのライセンスを選べば良いのか、よくわからない人も多いと思います。本記事では Microsoft Power Apps のライセンスと価格の体系について解説します。 ez office


※ユーザーインターフェース(User Interface)の略。フォントやデザイン、レイアウト、操作性などを指す。



Power Apps でできることは? 4 つの特徴

Power Apps を活用すると、業務内容やワークフローに合わせたアプリケーションを手軽に作成できます。主な特徴には、次の 4 つが挙げられます。


①ローコードでアプリケーションを作成できる

Power Apps では、プログラミング言語の記述量を少なくしたローコードによるアプリケーション作成ができる開発環境が提供されています。

プログラミングに関する高度な知識・技術がない担当者でも、Microsoft PowerPointや Microsoft Excelのような操作とドラッグアンドドロップによって、直感的にアプリケーションを作成することが可能です。


▼操作イメージ

  • アプリケーションに表示するパーツを選択・配置して画面を作成する
  • 処理のロジックを設定する際に、画面上の要素に Microsoft Excel のような関数を入力する


※Microsoft PowerPoint、Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。


②Web ブラウザ上で操作できる

Web ブラウザ上で操作できることも Power Apps の特徴です。

開発のためのツールやプログラムなどの環境を用意する必要がなく、パソコン・スマートフォンなどから手軽に短時間でアプリケーションの作成が行えます。


③さまざまなサービス・データソースと連携できる

Power Apps では、Power Platform に含まれるサービスとの連動に加えて、Dataverse と連携してさまざまなデータソースに接続できます。

Dataverse とは、アプリケーションやワークフローの作成などを行う際に使用するデータを保存・管理するクラウド型のデータベースです。Dataverse と連携することで、Power Apps にデータを取り込んだり、Power Apps に保存されたデータをほかのマイクロソフト関連のサービスに出力したりできるようになります。


▼データソースとの連携例

  • OneDrive に保存した Excel ファイルのデータを、Power Apps に取り込む
  • Power Apps で登録したデータを Power BI に連携させて、データ分析のレポートを作成する
  • Power Automate と連携して申請・承認のワークフローを自動化する


なお、ワークフローを最適化するポイントについてはこちらの記事をご確認ください。

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④AI による自然言語処理を活用できる

Power Apps では、人間の言葉を理解してコンピュータへと処理を行う自動言語処理が可能な AI 機能を活用できます。

AI によるアプリケーションの作成支援を受けたり、作成するアプリケーションに AI 機能を追加したりすることが可能です。


▼Power Apps で活用できる AI 機能と活用例

AI機能
活用例
Copilot
アプリケーションに加えたい機能を Copilot パネルに入力・指示して、画面の編集やパーツの追加を AI に任せる
AI Builder
Power Apps で作成したアプリケーションにチャットボットの機能や必要なデータの抽出機能を追加する


Microsoft 365 に実装された AI 機能“Microsoft 365 Copilot”については、こちらの記事で解説しています。

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Power Apps で作成できるアプリケーションの例

Power Apps で作成できるアプリケーションには、主に 3つの種類があります。


▼対応しているアプリケーションの種類

アプリケーション
仕組み
モデル駆動型アプリ
業務プロセスやデータをモデル化して、複数の機能を備えたアプリケーションを構築する
キャンバスアプリ
PowerPoint のようなドラッグ&ドロップ、Excel のような関数の活用によって、画面レイアウトを自由に作成する
Power Pages
デフォルトで用意されている機能を組み合わせて、Web サイトを構築する


例えば、以下のようなアプリケーションを作成できます。


▼アプリケーションの例

  • 営業日報の作成・登録
  • 勤怠管理
  • 備品や会議室の予約管理
  • 社内ポータル など


業務内容や使用するデータなどに合わせてアプリケーションを作成・活用することで、業務の工数削減と効率化が図れます。



Power Apps を利用する際の注意点

Power Apps を活用して業務向けのアプリケーションを作成する際は、ツール上で対応できないことについても理解しておく必要があります。


▼Power Apps で対応できないこと

  • 柔軟かつ多様なデザインを設計する
  • 複数人で同時に編集作業を行う
  • 外部ユーザーとアプリケーションを共有する


ローコードでアプリケーションを作成する場合、テンプレートを用いて必要な要素やパーツを追加・編集します。そのため、プログラミング言語を用いて一から記述する場合と比べて、デザインの自由度は低くなります。

また、アプリケーションを作成する際に、複数人で同時に作業を行うことはできません。さらに、組織内での利用を前提としているため、外部のユーザーとアプリケーションを共有したい場合には、ライセンスを割り当てる必要があります。



まとめ

この記事では、Power Apps について以下の内容を解説しました。


  • Power Apps の概要と特徴
  • Power Apps で作成できるアプリケーションの例
  • Power Apps を利用する際の注意点


Power Apps を活用すると、ローコードで業務向けのアプリケーションを手軽に作成できます。Web ブラウザ上で操作できるほか、さまざまなサービス・データソースと連携したり、AI による自然言語処理を活用したりすることも可能です。

業務プロセスの改善やペーパーレス化を図りたいとお考えの方は、Power Apps を活用して独自のアプリケーションを作成してみてはいかがでしょうか。

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